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第1話 遺跡を進む。水の流れる通路と階段。

「おっと……遺跡についての考察は後にしよう……」

 遺跡の考察よりもセシリアたちの捜索が先だと思い、そう呟いて考察を中断するラディウス。


 そして小部屋のような場所まで来た所で、ヘイジーミストの影響はもうないと判断したラディウスは、ガジェットの魔力消費を抑えるべく、

「アンチビルレント解除、っと」

 と言って、アンチビルレントの魔法を解除した。

 水の量は相変わらずなので、レビテーションは維持したままだ。

 

 ――水をかき分けるような音は聞こえないな……。見張りは入口の所だけなのか?

 

 そう考えながらも慎重に進んでいくと、程なくして正面に壁が見えてきた。

 否、そこで通路が左右に分かれているようだ。

 

 ラディウスは分岐に立ち左右を交互に見て思案する。

 

 ――右はこのまま通路が続いているようだが……少し先で左に曲がっていてその先がどうなっているのかわからんな。ただ……水はこっちにあまり流れていっていないようだ。

 で、左はというと……すぐに下へと続く階段になっているな……。水の流れは……まあ、当たり前だけどこっちに向かっているよなぁ。音もするし。

 ……よし、ちょっと階段の下を覗いてみるか。

 

 というわけで、ラディウスは階段に近づき、階下を携帯式照明ガジェットで照らしてみる。

 

 川から流れ込んできた水が、階段に向かって勢い良く流れていっているので当然の話ではあるが、階段の下は水浸しだ。

 しかし、絶え間なく水が流れ込んでいっている割には、水の量は少ないようで、普通に床が見える程だった。

 

 ――普通に考えたら階下は水で溢れていてもよさそうだが……

 いや、更に下に続く階段がある……という事か?

 しかも、風の流れはこっち――階段の方から感じる……。つまり、右の通路は途中で閉塞している?

 だとしたら……

 

 しばし思考を巡らせた後、こちらが正解だろうと判断したラディウスは、そのまま階段を下り始める。無論、レビテーション状態なので音は一切しない。

 

 そうして階下へと降りてきた所で、改めて周囲を見回すラディウス。

 正面と右方向にそれぞれ通路があり、水は正面方向へ勢い良く流れている感じだった。

 

 とりあえず……という事で、水が流れていっている正面の通路を調べてみる。

 すると、先程予想した通りと言うべきか、通路の先には更に下の階へと続く階段があった。

 だが、その階段は半分より下が完全に水没してしまっており、この先へ進むのは困難そうである。

 

 この先に何かがあるとは思えないと判断したラディウスは、一度戻り、今度は右方向へと続く通路を調べてみる事にした。

 

 上の階から流れてくる水の大半が正面の通路の方へ流れていっている事もあり、こちらの通路は少し進んだ所で、ほとんど水がなくなり、もはやレビテーションなしでも問題なさそうな感じである。

 ラディウスはレビテーションを解除するかどうか迷ったが、無音で歩けるという利点があるのでもう少しそのままにする事にした。

 

 通路を進んでいくと、程なくして、再び通路が左と正面に分かれているのが視界に入る。

 

 ――また分岐か。この感じだと全体的に結構入り組んだ構造になっているっぽいな、この遺跡。

 しかも、部屋らしい部屋がほとんどないというか……通路ばっかりだ。

 部屋と呼べるようなのは、入ってすぐの所の小部屋っぽいのくらいしか見てないぞ……


 そんな事を考えながら、まずは左の通路を確認してみるラディウス。

 すると、すぐに階段になっているのが判明した。


「ん?」

 ラディウスは階下を覗き込み、そう短く疑問の声を発すると、どうするべきか思考を巡らせ始める。

 

 ――こっちには水が全くないな。さっきの階段の先とは繋がっていないって事か……?

 正面のルートも気にはなるが……まあ、一旦下を見てくるとするか……

元々は節を変える予定ではなかったのですが、節を変えた方が区切りとして良さそうだったので節を変えました。

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