表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

456/636

第2話 動き出す者たち。状況と目的。

「ともかく……今は現状を整理して、これからやるべき事を纏めるぞ」

「ええそうね。結構色々とこんがらがって来ている気がするし」

 ラディウスの言葉にルーナが腕を組みながら頷き、そう返す。

 

「まずは、カチュアがオルディマの使った秘術だか禁呪だかで闇の異空間に囚われてしまっている……というのがあるのです」

「で、そこから救出するのが、まず一番やらないといけない事……だね」

 メルメメルアとセシリアがまず最初にそう口にした。

 そしてそれに続くようにして、

「――聖木の館の制圧および囚われていた者たち……の中で異形化する事なく生存していた者の救出。これは完了したわね」

 と、ルーナが告げる。

 

「ディーゲルさんの娘に関しては救出したが、やはりというかなんというか、魂が入れ替えられている上に、身体が半分以上異形化していたな」

「それってどうにか出来るんだよね?」

 ラディウスの発言に対し、セシリアが問いかけると、

「ああ。その為のガジェットは完成させたからな。念の為、ディーンさんにも確認してみたんだが、ディーゲルさんの娘に関しては、それで問題ないだろうという結論だった」

 と答えるラディウス。

 

「それなら、すぐに対処する?」

「そう考えたんだが……異形化した肉体が『どういう状態になっているのか』が、ガジェットを作っている段階では不明瞭だったから、『異形化を抑えて人間とほぼ同等の状態に留める』という仕組みにするのが限界でな……。まあ、それでも問題はないと言えばないんだが……」

 セシリアに対してラディウスがそう返事をすると、

「――『ほぼ同等の状態に留める』んじゃなくて、『完全に元に戻す』事が可能そうになったから、もうちょっと改良したい……とか、そんな事を考えてる?」

 と、セシリアが推測を口にする。


「その通りだ。ディーンさんが今、異形化した肉体の状態を詳しく調べている所でな。完全に元に戻せるのであれば、当然そっちの方が良いだろ? だから、その結果次第でどうするか決めようと思っているんだ。もし簡単に戻せそうなら、その形でガジェットを改良するし、逆に簡単には戻せそうにないっていうのであれば、一旦は『抑制』で対処しようと思う」

「なるほどなのです……。でもまあ、この件はほぼ解決と考えて良さそうなのです」

 ラディウスの話を聞き、セシリアの代わりにメルメメルアがそう返す。

 セシリアの方も言葉こそ発しなかったものの、それに同意のようで、首を縦に振ってみせた。

 

「あとは、大封印とかいうのをどうにかする必要があるのよね」

「そうだな。少し前までは対処不能だったが、なんとなく糸口みたいなものは見えてきたんだよなぁ、あれ」

 ルーナの発言に、ラディウスが頷きながらそんな風に答えると、ルーナはちょっと驚きつつ小首を傾げる。

「え? そうなの?」


「ああ。あれもエル・ガディア、ガーディマ、ウィンザームといった、古の時代の大国の技術である事、湖にまでウンゲウェダ・ドラウグが現れるようになった事……そういった諸々の情報を組み合わせていくと、こっちの世界の湖にある遺跡が怪しい」

「なるほど……。でも、それを調べるには帝国軍が邪魔になるわよね?」

「そういう事だ。つまり、まずは帝国をどうにかしないといけないって事だな」

 ルーナに対してそう返事をし、やれやれと首を横に振るラディウス。

 そこにメルメメルアが問いの言葉を投げかける。

「妖姫様の件も帝国をどうにかする際に救出するです?」


「そうしたい所ではあるな。もっともあの厄介な鎖を解除する手段を確立するのが先だが……」

「幻将イザベラがその鎖を生み出したんだよね? だとしたら、もう一度イザベラと接触して上手く聞き出すしかないのかな?」

「まあそうするしかないだろうな……。それと……もし知っているのなら、オルディマの術式についても情報を得たい所だな。……というか、その辺りをあの場で聞ければ良かったんだが、あまりの展開にそこまで頭が回らなかったのが痛いな……」

 セシリアに対してそんな風に答えたラディウスに、

「……そこは仕方ないわね。もし私がその場に居たとしても、その辺りの問いを投げかける事が出来たかと言われると、多分無理だったと思うし」

 と、ルーナ。そしてそれにセシリアが続く。

「うん、そうだね。実際、私は無理だったし。でもまあ……ある意味、イザベラについて『どうするか』を決めて再度接触するのが、これからやるべき事のひとつではあるよね」


 そのセシリアの言葉を聞きながら、ラディウスは思考を巡らせる。

 

 ――どうするか……か。正直な所、危険度は高いが協力関係を築くのが色々な面で有用なんだよなぁ……。なにしろ、イザベラはこちらの知らない情報を数多く持っているからな。

 拒絶するのは、安全だし簡単なんだが得られる物が何もないし……


 と。

ふたつの世界を行き来出来る関係上、なかなかややこしい事になっているというか、色々同時進行状態なので、ここで一旦状況を纏める形にしたのですが、思ったよりも長くなった上にまだ終わらないという……


とまあ、そんなこんなでまた次回! そして次の更新なのですが……ちょっと色々と詰まっておりまして、平時通りの更新は難しく……申し訳ありませんが、平時よりも1日間が多く空きまして……次は7月19日(水)の更新を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ