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第5話 滅界獣と遺跡。鍵と箱。

「……まあなんにせよ、座標は設定されているものの、このテレポーターが機能しない状態になっているのはたしかなようだ。現時点ではこれを使ってその場所へ行くのは難しいな」

「直接、その場所を割り出したい所ではあるよね……」

 ラディウスの問いかけに続くようにして、そう口にするセシリア。

 

「……そうですな。たしかにこの件は個人的にも『イザベラの一件』と共に興味深いので、少し調べてみるといたしましょう」

 テオドールが顎に手を当てながらそんな風に告げる。

 

 テオドールが『イザベラの一件』の部分を強調したのは、テオドールもまたラディウスと同じで、示されている座標が『魔軍の拠点』あるいはそれに関係する場所なのではないかという推測をしたからだ。

 

「しかし、機能しない状態になっているテレポーター……か。あの奇妙な魔物は、このテレポーターを介してここへ来たわけではない……という事なのであろうか?」

「わかりません。もしかしたら、以前は機能していたか……あるいは、何らかのイレギュラーな事態が発生して、偶然転送されてきた……というのも考えられますし」

 ディーンに対し、そんな風に答えるラディウス。

 

「なるほど……。たしかにその可能性は十分に考えられる話ではあるな」

 頷き、納得するディーンに続き、

「どうする? もう少しこの遺跡の中を探ってみる? その辺りの情報も見つかるかもしれないし」

 という問いの言葉を投げかけるセシリア。

 

「うーん……。パッと見、ここが最深部のようにも感じられるが、まあもう少しだけ調べてみるとするか」

 ラディウスがそんな風に答えると、

「それでしたら、途中の脇道の先も調べてみた方がいいのではないです? もっとも、崩落している所が多くて、あまり調べられそうな場所はなさそうな感じではあったですが……」

 と、メルメメルア。

 

「そうだな、一応そっちも覗いておいた方がいいかもな。何かが遺されている可能性もゼロではないし」


 そんな感じでラディウスたちは調べる範囲を広げてみたが、有力な情報は残念ながら遺っていなかった。ただ――

「……なにかの『鍵』と『円柱状の箱』……か」

 ラディウスが手に持った鍵を見ながらそう呟いた通り、一行は脇道の先にあった部屋のひとつで、奇妙な鍵と箱を発見していた。

 

「はいです。用途を『視て』みたですが、『ドアの鍵』である事しか分からなかったのです。……ただ、漠然としすぎていて申し訳ないですが、少なくともその『鍵』が使える場所は、この遺跡ではないようなのです」

「ふむ……。怪しいのはテレポーターの転移先……か?」

 メルメメルアの説明を聞いたエレンフィーネが、腕を組みながらそんな風に呟く。

 

「まあ、一番考えられるのはそこだね。そしてもうひとつは……円柱状の箱、ねぇ……。これって、そもそも箱なの? どうやっても中の物を出し入れ出来るような感じじゃないんだけど……」

「たしかにそうだな……。鍵以上に良くわからん」

 セシリアの言葉に同意しつつ、首をひねるラディウス。

 そんなラディウスに対し、

「でもこれ、用途を『視て』みた感じでは、やっぱり『箱』なのです。ただ、厳密にはなにかをいれておく為の物ではなく、これ自体をどこかに嵌め込むようなのです」

 と、そう告げるメルメメルア。

 

「つまり……何かの仕掛けを作動させる物ってわけか」

「ある意味、これも『鍵』と言えば『鍵』だね」

 ラディウスとセシリアがそう言った直後、エレンフィーネが、

「うーむ……。この箱に描かれている紋様、どこかで見たような……」

 なんて事を呟いた。

日を跨ぐ前に更新出来ると言っておきながら跨いでしまいました……


次の更新は、7月6日(木)を予定しています。

……次こそは、いつもの時間に更新したいと思っています……


※追記

誤字を修正いたしました。

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