表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

448/636

第1話 滅界獣と遺跡。気になるモノ。

「すぐに密偵と斥候を動かして行方の調査を試みてはみますが……正直、捕捉するのは微妙な所ですね……」

 テオドールがそんな風にラディウスたちへと告げる。

 そして、短く嘆息してから、

「まあ、敢えて捕捉させるような動きをしてくる可能性もありえなくはないですが」

 と、そう言葉を続けた。

 

「ふむ……。たしかにイザベラの言動からすると、そうしてくるやもしれぬな」

 顎に手を当てながらそんな風に言ってくるディーンに対し、セシリアが頷いて同意を示しつつ返事をする。

「そうだね。もし仮にイザベラが『悪意』や『敵意』なしでそういう動きをしてきたら、少しはさっきの話も信用出来るというものだし」

 

「なんにせよ、それに関してはもう少し様子を見るとしよう。……それより、こいつがどうしてこの遺跡に巣食っていたのかというのが気になる所だ」

 ラディウスがそう言いながら完全に生命活動の停止した深淵より来たりしモノへと顔を向ける。

 

「まあたしかに、外からやってきた……というのは考えられないしね」

「はいなのです。この巨体が外と行き来出来るような出入口が、この遺跡に存在するとは思えないのです。というより……そんな大きな出入口があったら、外からでも分かるはずなのです。気づかないはずがないのです」

 セシリアに対して頷きながらそう返事をするメルメメルア。

 そのメルメメルアに対し、

「うむ。そのような大きな出入口は、聖木の館周辺では確認されておらぬな。小さな出入口が森の中に数か所存在しておる事は調査で判明しておるがね」

 と、そんな風に告げてくるディーン。

 

「となると……遺跡内に別のルートなり転移ゲートの類なりが存在している……と、そう考えるのが自然であろうか」

  こめかみに人差し指を当てて呟くようにそう言ったエレンフィーネの方を向き、ラディウスが返事をしつつ腕を組む。

「ああ。そしてそんなものが存在しているのなら、滅界獣や世界を滅ぼしかけた存在とやらに関する何らかの情報が得られるやもしれない。……無論、何もない可能性もあるけどな」

 

「だがまあ……滅界獣が倒れて、安全に探索出来るようになった事だし、今の内に調べておきたい所ではある。もしこれが、何らかの守り――ガーディアンのような意味合いで存在しているとかだったら、またどこからともなく『新しい奴』が現れてしまうかもしれないしな」

 一呼吸置いてからそんなを口にするラディウス。


「たしかに今なら一番厄介な障害もないですし、調べるのにはちょうど良いタイミングではあるのです」

 ラディウスに対し、メルメメルアがそう言って同意すると、

「うむ。個人的にもこの遺跡は一度調査してみたかった所。何があるのか興味深いというものだ」

 と、ディーンも続いた。

 

「そうですね……。少し遺跡の内部を調べてみるといたしましょうか」

「じゃあ、まあ……とりあえず、このデカブツが通れそうな広い通路を辿って行ってみる?」

 テオドールの言葉に続く形で、ラディウスに対して問いの言葉を投げかけるセシリア。

 ラディウスはそれに対してコンパス――正確にはホログラムのような感じで包囲を表示する魔法――と周囲を交互に見ながら告げる。

「ああそうだな。ここからだと……北東側と西側の通路が広いな」

 

「西側は、イザベラが空間跳躍していった方でございますね」

「あ、そうなんですね。となると……そっちから来たとは考えづらい……か?」

 テオドールの言葉を聞いたラディウスはそう口にすると、

「よし、一旦北東へ行ってみるとしよう」

 と、そんな風に言葉を続けて北東側の通路へと顔を向けた。

というわけで(?)遺跡探索です。

もっとも、ガーディマのような広大な遺跡というわけでもないので、そこまで長い話にはならないと思います。……おそらく……ですが。


とまあそんな所でまた次回! 次の更新は、平時通りの間隔となりまして……6月21日(水)を予定しています!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ