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第5話 聖木の館。隠されし日記の中身。

更新が予定より遅くなりました……

『――アルベリヒ卿が、私の行っている『古の時代の生命実験』を再現するという研究に興味を持ち、顔を合わせる事となった』

『――アルベリヒ卿より、極秘の実験へと参加するように言われた。私のような研究一筋の人間にとっては願ってもない事であり、二つ返事で了承する』

『――行き先は帝国領中原西部の大森林にある、聖木の館であると伝えられた。……療養施設での極秘実験とは一体……。医療魔法技術に関する事であろうか?』

「……最初の方は、ここへ来る前に記された物のようですね」

 テオドールが広げた日記の内容を確認しながら、そう口にする。

 

「古の時代の生命実験……。『あの島』で行われていたのも、それに近いと言えば近い気がするですが……」

「でも、今のこの状況を考えると、どちらかと言うとエリミネーターや魔人のようなものを生み出す実験の方な気がするよね」

メルメメルアとセシリアがそんな風に言うと、

「どうやら、この日記を記した者は、それとは違うものを研究していたようですね」

 と、ページを捲りながら言うテオドール。

 

「というと?」

「ここに、『聖木の館で行われていた実験はたしかに生命に関わるものであった。しかしそれは、私の研究していた物とは違う、とてもおぞましいものであった』と記されております」

 首を傾げたエレンフィーネに対して、テオドールがそんな風に答える。

 そして、

「また、『私の行っていた研究の成果が、このような実験に使われているとは予想外であった。実験の被検体となった者の生存率は極めて低く、また生存しても異形化してしまう。――古の時代に行われていたトランスフォームの実験とその技術には、術式の中に元の姿へと戻すための仕組みが組み込まれていた。だが……ここでの実験においては、その仕組みはない。つまり……彼ら、彼女らを元に戻す方法は――救う手立ては今の所ない。なんという外法であろうか』とも記されていますね」

 と、続けた。

 

「トランスフォーム……。たしか『魔人化』のベースとなった実験だったような気がするのです」

「……なるほど。たしかに魔人化の初期段階――因子の侵食中であれば術式をいじって因子の破壊および元の姿へ戻す事が出来る。そしてそれは、元々そういう風に仕込まれていたというわけか……」

 メルメメルアの発言を聞いたラディウスが、顎に手を当てて納得の表情でそう口にする。

 

「ラディが、前にヴィンスレイドによって操られていた私を元に戻したのも、その辺りの技術だったり?」

「そうだな。あれは妖姫からの情報をもとに生み出した術式によるものだが、おそらく妖姫がその情報を持っていたのは、『大元が同じ』だったからなんだろう」

 セリシアが口にした疑問に対し、ラディウスがそう答えた所で、

「しかし……この日記が隠されていたのは、この場所で行われていた実験を否定し、批判するような内容だったからというわけか……。誰なのかは分からぬが、もし今も生きているのなら、色々と協力して貰えるやもしれぬな」

 と、そんな風に言うエレンフィーネ。

 

「……そうですね。ここに『だが……私の研究していた技術を用いれば、ある程度は元に戻す事も可能であろう。そう……私の研究が私の預かり知らぬ所で外法に用いられていたとはいえ、私に責任がないとはいえない。ゆえに、私はここでの実験をサポートするフリをしつつ、彼ら彼女らを救う手立てを研究するとしよう』と記されているので、もしこの方の協力を取り付ける事が出来れば、きっと大きな助けとなってくれる事でしょう。そして……この日記が一番最後に書かれたのはつい先日です。まだ生存している可能性は高いと考えられます」

「……この日記を書いたのが誰なのか、それがわかればいいんだがな……」

 テオドールの話を聞いたラディウスはそんな風に呟き、そしてふと思う。


 ――って、待てよ……? 

 この部屋を守っていた奴らが、この日記を守る為でもあったとしたら……その人物というのは、アンウィル――精神制御兵をコントロールする事が出来る人物なんじゃなかろうか……?

 

 と。

色々あって更新するのがかなり遅くなってしまいました……


そして次の更新ですが……申し訳ありません。所々諸々の都合により平時よりも1日多く間が空きまして……4月7日(金)を予定しています。

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