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第5話 越える者、破る者。解放と凍結。

「……あれ? ここはどこでしょう……です」

 そんなカチュアの声を聞いた瞬間、ルーナは向こう側――中央聖塔の一室――へと飛ぶと、即座に、

「カチュアとのリンクが復活したわ! 向こう側にしっかりいるわよ!」

 と告げた。

 

「良かったのです! 素晴らしいのです!」

「本当にね……」

 セシリアがメルメメルアに続く形で呟き、安堵の表情を見せる。

 そして、

「後は、完全に取り戻すための情報収集あるのみだね」

 と、そんな風に呟くように言った。


「そうなるが……そこが一番厄介というか、まずは直接話を聞いてみないと何とも言い難いんだよな……。ルーナ、カチュアから話を聞く役を任せてもいいか? 館の制圧の方は既に十分すぎる程戦力があるしな」

「あー……たしかにそうね。ええ、任されたわ。しっかりカチュアから話を聞いておくわね」

 ラディウスの発言に頷き、そう答えるルーナ。

 

「よし、それじゃあ向こうへ戻るぞ」

 ラディウスはそう告げると、即座に向こう側の世界へと移動する。

 そして、ディーゲルの娘を改めて見てから、向こう側の世界の面々に対し、

「――このガジェットを使えば拘束を解除出来る。……が、ここまで厳重に拘束するという事は、明らかにヤバい状態だと言える。念の為、少し下がっていて欲しい」

 と告げた。

 

 無論、ラディウスは一度殺されている為、非常に危険な存在である事は分かっていた。

 とはいえ、それを説明するのは少々面倒だったので、そんな風に言ったのだ。

 

「……ヤバい状態なのであれば、ラディ殿も危険なのではないか?」

「いや、動きを封じるタイプの強力な魔法を組み込んだガジェットを用意してある。……ただ、封じる際に発生する魔力の余波……みたいなものがあってな。それが周囲の人間に広がって連鎖的に動きを封じるような事態になったら厄介だからな」

 エレンフィーネのもっともな問いに対し、そう答えるラディウス。

 

 ――まあ……そんな事はありえないんだが、うっかり誰かが迎撃したりして、ディーゲルの娘の肉体を傷つけてしまったら大変だしな。

 

 と、そんな風に心の中で付け加えつつ。

 

「なるほど……。了解だ」

 エレンフィーネは納得の表情でそう言って下がる。

 

 テオドールの方は既に事情をおおよそ把握している為、既に下がっており、ゼグナム解放戦線の面々も事情は把握していないものの、テオドールの動きから、ラディウスの指示どおりに動くのが正解であると判断し、同じく既に下がっていた。

 

 ラディウスは周囲を確認すると、まず拘束を解除するガジェットで魔法を発動。

 と、次の瞬間、拘束がまさに崩壊するようにして消えていく。

 

「……!」

 ディーゲルの娘は、それを待っていたかのように、即座に溶けるような感じでドロドロの姿へと変化。

 弾けるようにして、そして滑るようにして、その場から離脱しようとする。

 

「おっと襲いかかって来ずに、逃げようとするとは想定外だ……。だが、そうはさせるかっ!」

 ラディウスはそんな事を言い放つと、別のガジェットを構え、魔法を発動。

 ラディウスを中心に円形の白い波動が発生する。

 

 すると、その白い波動に接触したディーゲルの娘が一瞬にして凍結。

 当然ながら、ディーゲルの娘は身動きひとつしなくなる。

 

 それを見ていたエレンフィーネが、

「と、凍結魔法!? まさかそのような魔法まで扱えるとは……」

 と、驚き半分、呆れ半分といった表情で呟くのだった――

実は厳密には凍結魔法ではないのですが、結果的に凍結していたりします。

詳しい話は次話で……


といった所でまた次回! 次の更新は平時通りの間隔となりまして、3月16日(木)の予定です!

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