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第8話 此方と彼方。水と探知と遺跡。

「……『水中から聞こえる咆哮』の方は、冷静になって考えてみると、分かりやすい不自然さですね」

「うん? リゼ、それはどういう事なのだわ?」

 リゼリッタに対し、クレリテが首を傾げながら問いかける。

 するとリゼリッタはクレリテの方へと顔を向け、

「クレリテは、水中で声を出せますか?」

 と、湖を指差しながら問い返す。

 

「……無理なのだわ。……たしかにおかしいのだわ」

「はいです。たしかにその通りなのです。一部の音は水中で発したとしても聞く事が出来るですが……あんなにクリアに聞こえたりはしないのです。あの咆哮は、さすがに水中で発したとは思えない程にクリアすぎたのです」

 クレリテに続くようにして、不自然さに気づいたメルメメルアがそう口にする。


「つまり、あの咆哮は水中から発せられているわけじゃない……と、そういう事になるわけだね」

 セシリアが腕を組みながらそんな風に言うと、

「それで言うと、探知に引っかからないのもそうね……。向こうの世界に『悪意』があったら、いくらマリス・ディテクターでも探知出来るわけがないし……」

「俺の使っている探知魔法でも、向こうの世界の存在までは探知出来ねぇしなぁ」

 と、呟くように言うルーナとアルフォンス。

 

「そういう事だ。それ以外にも今挙げた3つ程の明確さではないが、いくつか不自然な所があってな。それらを全部引っくるめて、奴は向こう側の世界から出現しているんじゃないか……と、そう考えて、常駐魔法を無効化する魔法を使ったってわけだ」

「さすがはラディウスさんなのです」

 ラディウスの言葉を聞いたメルメメルアがそう返すと、その場にいる皆が頷いてみせる。


「ちなみに……その魔法っつーのは、永続的に効果があるもんなんか? ウンゲウェダ・ドラウグがもう出てくる事はねぇのか?」

「いや、永続的に無効化させるには、別途ガジェットを作らないと駄目だな。あとで作るとしよう」

 アルフォンスの問いかけに対して、ラディウスがそう答えると、

「それさえあれば、ウンゲウェダ・ドラウグが姿を現す事はもうなくなりますね」

「一件落着、という奴なのだわ」

「……結局、ラディウスに頼りまくりになっちまってて、ちと申し訳ねぇ気はするがな」

 と、そんな風に言うリゼリッタ、クレリテ、そしてアルフォンス。

 

「でも……さ。そうなると、だよ? 向こう側の世界のこの湖からディグロム洞街のある辺りにかけて、アレをこっちの世界に出現させるガジェットかなにかがあるって事になるよね? 一体誰が何の目的で、こんな事をしているのかな……?」

 セシリアがラディウスの説明に納得しつつも、湧いてきた新たな疑問を口にする。

 それに対してラディウスは、

「誰かが発動させているわけじゃなくて、遺跡かなにかの防衛システムが稼働している可能性も考えられるな。実際、こっちの世界にも『稼働している遺跡』があるだろ? それこそ、グランベイルの近くにもな」

 と、そんな風に答えた。

 

「あっ! ガーディマ遺跡ね!」

「なるほどなのです。たしかにあれは、遺跡全体が『試しの場』として稼働している状態にあるのです!」

 ルーナの言葉に同意するようにそう口にするメルメメルア。

 それに対してラディウスは、

「……うん? 試しの場……? それはどういう事だ?」

 と、首を傾げて問いかける。

 

「あ、ええっと……それは――」

 メルメメルアは、ちょうど良い機会だと考え、ガーディマ遺跡を探索して得られた情報をラディウスたちに話し始めた――

前回、大分がっつりと説明したので、今回は軽く流しています。

どの道、説明の内容自体は同じような感じになりますし……


……なのに、思ったよりも話が進展していないというオチが……

次の話はそこそこ進展する予定です……


といった所でまた次回!

次の更新も平時通りの間隔となりまして……2月25日(土)を予定しています!

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