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第25話 冥闇の彼方。イザベラという存在。

「あれ? ここで仕込むんじゃないの?」

 ラディウスの後を追いながら、もっともな疑問を投げかけるセシリアに、

「いや、あの穴にはもう特に要はないぞ。他に次元に干渉する良い代物があるしな」

 と、そんな風に返事をするラディウス。

 

「次元に干渉する良い代物……?」

 首を傾げながらそう返すセシリア。

 メルメメルアも良く分からず、一体それが何なのか……と、頬に人差し指を当てながら考え……そして気づく。

「……あ! わかったのです! ゲートなのです!」

 

 それに対して、「正解だ」と短く返すしたラディウスに続く形で、ルーナが補足するように言葉を紡ぐ。

「ええ。あれを利用してカチュアが囚われている空間との接続を確立させる……という代物が、ラディの作ったガジェットなのよ」


「まあ、現時点では直接乗り込める程の接続は難しいだろうが、リンクを復活させる事くらいは出来るはずだ」

「なるほど……。良くわからないけど、なんだかとんでもない代物だってのは理解したよ、うん」

 ラディウスの補足を聞き、頷きながらそう返すセシリア。

 そして、

「ちなみに……さっき放置して構わないって言ったけど、ここに魔軍の連中が来たとしても、さっき穴の中に入れたシグナルサイン兼アンカーだっけ? それが消されたりはしない感じ?」

 と、そんな疑問を投げかける。

 

「ああ。今から魔軍の連中が来て再びあの亜空間を開こうとも、もうアレをどうにかする事は出来ない。既に手遅れって奴だ」

「さすがラディ、そこら辺の対策もバッチリってわけだね」

「まあ、その件については……だがな」

 セシリアに対して腕を組みながらそう返事をするラディウス。

 

「うん? その件については?」

「……セシリアがあそこを守っていなかったら、こっちが手遅れになる所だった事を考えると、今後は幻将――イザベラとやらの動きにも対策が必要になるな……って話さ」

「ああなるほど、たしかにそうだね。そこはテオドールさんやカルティナさんに任せるしかないね。私が動くわけにもいかないし……」

 セシリアは頬を描きながらラディウスにそう返し、それにルーナが続く。

「――テオドールさんたちならどうにかしてくれるだろうし、カルティナも……まあ、戦闘面では役に立ってくれると思うし、そっちの件は一体置いといても大丈夫だと私は思うわよ」

 

「まあ、そうするしかないのもたしかだしな……」

 ラディウスがルーナの発言に対してそんな風に返事をした所で、

「でも……話を蒸し返すわけじゃないけど、イザベラとやらは一体何者で、どうして今になって動き始めたのかは私も気になる所ではあるわね……」

 と、ルーナ。

 

「たしかに謎なのです。しかもいきなり『副官』という重要なポジションの人物を送り込んで来たですし……」

「そうなんだよなぁ……。テオドールさんたちが何か情報を掴んでくれるといいんだが……」

 メルメメルアとラディウスがルーナに同意するようにそう返す。

 

 ――それにしても、イザベラという名前……時を遡ってくる前の世界で聞いた気がするが……どこで聞いたんだったか……。思い出せないな……

 まあ、別に珍しくもない名前ではあるし、そもそも無関係かもしれないが……

 

 と、そんな事を考えるラディウスだった。

イザベラとは一体……? といった所で今節は終了です。


次の話からはようやく第2節となりまして、法国へ戻ってカチュアや聖木の館の件を一気に解決する為の準備段階から開始します。

と言っても、準備段階は結構コンパクトにしたので、そんなに長くはないと思います。

カチュアとのリンク復活や聖木の館の制圧、そして聖木の館の地下……といった部分にすぐに入って行く想定です(それが終わると、ようやく帝国深奥編に入ります)

……まあ、あくまでも想定ではあるんですが……た、多分大丈夫です……


さて、次の更新ですが……平時通りの更新となりまして、1月31日(火)を予定しています!


※追記

誤字を修正しました。

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