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第16話 冥闇の彼方。残滓と攻防。

「ぐ……っ。……そんな事を考えてる暇はねぇ……か。急いでケリをつけて戻らねぇとやべぇ……な」

 そう口にするなり、再びセシリアに対して苛烈なラッシュを仕掛けるレミィ。

 

 しかし、左肩の負傷のせいか先程よりも動きが鈍く、セシリアのビームによる反撃を許す事となる。

「がっ!?」

 反撃で放ったビームが左腕を貫き、遂に左手で持っていた短剣が床に落ちた。

 

 ――これで左手は完全に使えなくなった……はず

 手数で押し負けるという事はもうない……はず

 

 そうセシリアが考えた所で、

「……くそっ、左手は完全に駄目そうだな……。こうなれば……」

 レミィはそんな風に言いながら、再びセシリアに攻撃を仕掛ける。

 だが、先程までと比べて、明らかに動きが悪かった。

 

「そんな動きじゃ――」

 そう口にしながらレミィの攻撃を受け止め、反撃を行おうとしたセシリアだったが、その反撃が繰り出される直前に、レミィがその場からかき消える。

 

 ――っ!?

 

 即座にレミィの姿を探すセシリア。

 すると、レミィはセシリアをすり抜けるような形で、奥へと向かおうとしていた。

 

 ――例の残滓……『痕』を狙っている!?

 

 それに気づいたセシリアがそれを阻止しようと動く。

 しかし、レミィは負傷し血を流しているにも関わらず、動きの速さは衰えていない。

 

 ――てか、なんであんなに負傷しているのに動けるの……!?

 

 驚愕しつつ疑問に思うセシリアだったが、それを問う余裕はない。

 そもそも、問いかけた所で答えてはくれないだろう。

 

「……こいつはまた随分と……妙な術式が展開されていやがるな……。まあいい……壊すだけだ」

 レミィがそんな事を言いながら魔力の残滓にめがけ、最初にセシリアに対して使ってきた短剣を射出する。

 

 ――くっ! 間に合ってっ!

 

 セシリアがビームを短剣へと発射。

 ビームの方が短剣の飛ぶ速度よりも速いお陰で、ギリギリ消し飛ばす事に成功する。

 しかし、今回は角度的に問題なかったものの、少し位置をズラされたら、ビームで短剣を消し飛ばすと同時に、自ら残滓に攻撃を当ててしまうような状況だった。

 

 セシリアはレミィと残滓の間に割って入り、レミィの動きを阻害する。

「またか……っ! 本当に厄介だな……っ!」

 悪態をつきながら、セシリアの隙を突いて残滓を破壊しようとするレミィ。

 

 ――厄介なのはそっちでしょうにっ! 隙を見せたら後ろを狙われるし……っ!

 ああもうっ! 反撃する余裕がない……っ!

 しかも、何故か出血が止まってるから、出血多量を狙うのも無理そうだし……っ!

 

 そんな感じで心の中で悪態をつきつつ、レミィの攻撃をブロックし続けるセシリア。

 と、レミィが急に後方へバックステップし、そこからセシリアの横をすり抜けようと動く。

 

 そうはさせまいと前に立ちはだかるように動いたその瞬間、レミィがセシリアめがけて短剣を連続で放ってきた。

 

 ――動きはフェイント!?

 位置をズラす事で、こっちと後ろの両方を狙った……!?

 

 結果的にセシリアが動いた事で、ここから更に回避の為に動けば自分を狙っている短剣がすり抜け、動かなければ後ろを狙っている短剣がすり抜ける、そんな状況になった。

 

 ――ならっ!

 

 セシリアはその場に聖剣を突き刺し、自身を狙う短剣をブロック。

 と同時に、自らの手に防御魔法を付与しつつ、腕を伸ばして短剣を受け止める。

 

「ぐうぅっ!?」

 当然、短剣は手に刺さるだけではなく爆破する。

 セシリアが一瞬だけ手へと視線を向けて状態と確認すると、砕けた短剣の破片でなかなかに酷い事になっていた。


 ――うわぁ……。防御魔法を付与していてこれかぁ……

 防御魔法を付与していなかったら手そのものが吹き飛んでいたよね、確実に……

 ラディの超強力すぎるレストアなら、まあ治るだろうけど、私の持っているガジェットじゃ使えないんだよねぇ……

 後で治せるとしても、今は放っておくしかない以上、ちょーっと痛いなぁ……うぐぐっ。


 なんて事を思ったその直後、更にレミィが短剣を放つ。

 それと同時に自身も動いた。

 

 ――って! ま、まさか、敢えて防がせて隙を……っ!?

 余計な事考えてる場合じゃなかった!

 

 レミィの狙いに気付くも、放った短剣を防ぐのが精一杯な状況で、レミィの動きまで抑えるのは難しかった。


 ――ま、まず……っ!?

 

 セシリアは慌てるも、この状況からではどうにも出来ない。

 それでも、なんとかレミィの動きを封じようと動く。

 しかし、届かない。

 

 絶望がセシリアのその目に映った瞬間、

「が……は……っ!?」

 唐突にレミィから血が噴き出し、そのまま床へと倒れ込んだ。

 

「……え?」

いつもの更新時間からは大分遅れましたが、どうにか1月1日中に更新出来ました……


……決着つく想定だったのですが、びみょーに決着ついていませんね……

まあなんというか……ほぼ決着という事で……


というわけで(?)次回はほぼ決着後(何)の話になります。

ただ……申し訳ありません、次の更新は年始の都合で平時よりも1日多く間が空きまして……1月5日(木)を予定しています。


ともあれ、今年もよろしくお願いいたします! ちなみに想定している完結までの長さは、今年中に完結出来そうな出来なさそうな微妙な所です。

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