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第1話 冥闇の彼方。気づく者たち。

「随分長い時間、遺跡の中に居た気がするですが……まだ昼前なのですね」

 グランベイルに戻ってきた所で、メルメメルアが時計を確認しながらそんな風に言うと、それに対してカルティナが返事をする。

「あそこは時間も歪んでいるからな。外ではほとんど時間が経過していなかったり、その逆に思った以上に時間が経過していたりするんだ」


「えっ!? そ、それはつまり……中に入って出てきたら、数年過ぎていた……とかもあるという事です!?」

 驚きながら問うメルメメルアに対し、顔を見合わせた後、少し苦笑するカルティナとルティカ。

 そして、ルティカが手を横に振って否定の言葉を口にする。

「いや、さすがにそこまでのズレは生じないっすね。大体プラスマイナス24時間がズレの上限って感じっす」


「うむ。ゆえに例えばだが……中に40時間程いた場合は、外での経過時間は16時間~64時間になるといった感じさ」

 カルティナがルティカに続く形でそんな風に言うと、

「そ、そうなのですね。さすがに極端に時間がズレているという事はないですか……」

 と、返しつつ思う。

 

 ――だとすると……もしかして、複数の集団が同時に中で行動している際に、構造変化でかち合いにくくする為に、時間の流れも調整されている……とかだったりするですかね?

 ……いや、それはさすがに考えすぎというものな気もするのです。

 

「それはそれとして、メルはこの後どうするのだ?」

「あ、はいです。一旦メルティーナ法国へ戻るつもりなのです。まあ、もしかしたらまたすぐに来るかもしれないですが……」

 メルメメルアがカルティナの問いかけにそう答えると、今度はルティカがメルメメルアに対して問いの言葉を投げかける。

「それは、遺跡の攻略を本格的に行うかもしれないという事っすか?」


「はいです。可能ならばそうしようと思うです。まあもっとも、『他にやらないといけない事がある』ですし、その後になると思うですが」

「ふむ……なるほどっす。なら、『そっちを片付けたら話を振ってくれれば手伝う』っすよ。必要に応じて仲間も呼べるかもしれないっす」

 メルメメルアの返答にそう答えるルティカ。

 それは、聖木の館の制圧が終わったら引き続き、アルフォンスやクレリテといった面々を含むゼグナム解放戦線のメンバーも手伝うと言う意味である。

 

「まあ、その時は私も街のどこか――大体店がギルドだが――にいるゆえ、必要に応じて……いや、必要がなくても呼んでくれ。私としても最深部には興味があるのでな」

「了解したのです」

 メルメメルアはカルティナに対してそう返しつつ、ふたりと二言三言交わしてから別れ、聖堂へと向かう。

 カルティナが聖堂まで送ろうかと言ったが、大した距離でもないので断った形だ。

 

 特に何事もなくゲートの近くまでやって来た所で、

「……あ、あれ? メルひとり? カチュアちゃんは一緒じゃないの?」

 というセシリアの言葉に、

「え? カチュアです? 先に法国に戻ったはずなのです」

 と答えるメルメメルア。

 

「……いやいや、戻ってきてないんだけど? 随分と長居しているみたいだから、こうして様子を見に来たわけ……だ……し」

 言葉を紡ぎつつ徐々に顔色が悪くなっていくセシリア。

 そして、最後にハッとした表情で、

「……って! ま、まさかっ!?」

 と大声で発しつつ、向こう側の世界へと飛んだ――

というわけで、この話から節どころか章すら変わりました。

……本当は第13節があったのですが、テンポが悪いので全部カットしていたりします……

カチュアの件や聖木の館の件を放っておくままというのもあれですし……


なので、6章のラスト(前の話)がちょっと中途半端な感じになってしまっていますが……今回は、悪くなっていたテンポを改善する方を一旦優先してみた感じです。


とまあそんな所でまた次回!

次の更新は、平時通りの間隔となりまして……11月13日(日)を予定しています!

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