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第11話 遺跡探索録。メルメメルアの考え。

「ものの見事に粉々っすね……」

「マリス・ディテクターでも感知出来なくなったのです。完全に撃破したと考えて大丈夫そうなのです」

「ふぅ……やれやれ。ここまで面倒な敵が出てくるとはな……」

 3人が、床に散乱したまま今度こそ動かなくなった巨大な甲冑の残骸を眺めながら、それぞれそんな風に呟く。

 

「いかにも守護者、あるいは番人って感じの存在だったっすけど、もしかして構造変化の影響で、偶然にも深層に来てしまった……とかだったりするんすかね?」

「構造変化で深層までの距離が近くなる――通路が深層に繋がる……などという話は、聞いた事がないな……」

 小首を傾げるルティカに対し、顎に手を当てながらそう答えるカルティナ。

 そんなふたりに、メルメメルアが推測を口にする。

「守護者や番人の類であった可能性は十分ありえるのです。ただ……深部が近い――深部へ続く道を守っていたわけではなく、例の……この『鍵』を守っていた存在という感じではあるですが」

 

「あー、なるほどっす。たしかにその可能性も考えられるっすね。というか、その可能性の方がありえそうっす」

 納得の表情で頷き、そんな風に返すルティカ。

 そのルティカに同意しつつ、

「そうだな。しかし、可能性で言うのなら……その『鍵』とやらが複数あって、全て揃えなければならない……という可能性もまたありえるのではないか?」

 と、そんな疑問を口にするカルティナ。

 

「う、うーん……。ここまで形状が同じだと、たしかにありえそうなのです……」

 メルメメルアはそう答えつつ、ストレージからふたつのクリスタルの鍵を取り出すと、それをジッと見つめ始める。

 

 ――どう視ても鍵である事以外には分からないのです……

 とはいえ……どちらも鍵であり、用途も完全に同じとなると、カルティナさんが言ったように、複数でひとつの鍵となってもおかしくはないのです……

 それに……さっきの巨大な甲冑……やはり、どことなく違和感があるのです。

 迎撃する為というよりも、ビットを展開している間は行動出来なくなる欠点を敢えて残す事で、倒しやすくしているというか……そう、まるで倒して鍵を手に入れる事が前提になっているかのような……そんな気すらするのです。

 でも……もしそうであるのなら、何故そのような事をしているのです……?

 

「……メルさん、さっきからそれを、穴が開くんじゃないかってくらい見つめてるっすけど、何かその眼で『視えた』んすか?」

 クリスタルの鍵へと視線を向けたままの状態で固まっているメルメメルアに対し、ルティカがそんな風に問いかける。

 

「あ、いえ、どちらも完全に同じ用途である事しか分からなかったのです。ただ……もし、3つ以上の鍵があるのなら、鍵の事とは別に、判明するものがあるかもしれないのです」

「別に判明するもの……っすか。そう言うという事は、なにか考えている事、思っている事があるんすね?」

 メルメメルアの発言に、ルティカが首を傾げつつそう問いかけると、メルメメルアはそれに頷き、

「はいです。実は……ここまで探索して、色々と見てきた結果、私はこの遺跡が『侵入してきた者に対する試しの場』になっているのではないか……と、そんな風に思っているのです」

 と、告げるのだった――

メルメメルアが何やら言い出していますが……果たして?


といった所でまた次回!

次の更新は、平時通りの間隔となりまして、10月16日(日)を予定しています!

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