表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
372/636

第9話 遺跡探索録。鎧の再生、その仕組み。

「こいつ……もしかして、ビットを動かしている間は動けなくなる……のか?」

「え? ……あっ! ほ、ホントっす! たしかに動いてないっすね……っ!」

「……なるほどなのです。本体とビットの双方を動かそうとすると、術式の処理が追いつかなくなってオーバーヒートするとか、そんな感じなのかもしれないのです」

 カルティナの呟きに対し、ルティカとメルメメルアが魔法弾を防ぎつつそう返してくる。


「まあ、本体を攻撃し放題っすけど、攻撃されて壊されたとしても復元する以上、それで問題ないのかもしれないっすけど……。随分と雑っすねぇ……」

「ふむ……。今の内に、奴の向こう側へ駆け抜けてしまえば、逃げられるのではないか? さすがに奥が行き止まりという事はあるまい」

 ルティカに対してそんな事を言うカルティナ。

 

「たしかに倒す必要はないのです。けれど……おそらく近づいたら、今度はビットの動きが止まって本体の方が動いてくると思うです。逃げるにしても、一度破壊しないと駄目な気がするのです」

 ラディウスのガジェットで術式の解析を行いつつ、そんな推測を口にするメルメメルア。

 

「そもそも、あれから逃げるの難しくないっすかね……。何気にかなりの速度で迫ってきたっすよね……?」

「……あー、たしかにそうだな……」

 ルティカの言葉に対し、迫ってきた時の事を思い出しつつ、そう返してため息をつくカルティナ。

 

 と、その直後、メルメメルアが急に得心のいった顔をする。

 それは、魔法弾を防御魔法でブロックしながら、自身の『眼』と術式の解析を併用して復元のカラクリを探ってみた結果、それを成してると思われる妙な魔力の流れを掴んだからだった。

 

 ――なるほど、こういう事だったですか。

 

 そして、魔力の流れからカラクリの仕組みを把握したメルメメルアがふたりに告げる。

「――あのビットが中継機のような役割で、どこからか魔力が供給され、それによって復元しているのです。つまり……あのビットを破壊してしまえば、復元される事はないのです」

 

「そ、そんな仕組みだったんすか!? なら、ビットを破壊した上で、本体も破壊すれば、逃げる必要はないっすね!」

「それはそうだが、ビットを破壊するのが一苦労だな……。魔法を発動させようにも迎撃されてしまうし、魔法以外の攻撃ではあの頑丈な装甲を突破するのはなかなかに厳しいぞ」

 

「たしかにその通りではあるのです。とはいえ……このまま防戦一方だと、こちらのガジェットの方が魔力切れを起こしてしまうのです。なにしろ、あちらは無尽蔵に魔力が供給されている状態なのです。使える魔力の差が圧倒的すぎるのです」

「――そうっすね。……2人で固まって防御魔法を展開しつつ、後ろで詠唱するとかはどうっすかね?」

 メルメメルアの宣告に対して頷き、そんな提案をするルティカ。

 

「うーむ……。魔法弾なら防御魔法で防げるだろうが、熱線の方はさすがに厳しいしな……。いや、まてよ? 熱線も魔法は魔法か……」

 カルティナは、ルティカの提案に対して返答している最中に、ふと自身の持つ魔法の中に良い物がある事に気付く。

 

 そして……

「――ルティカ、熱線に向かって真正面から『短剣を投げる』事は出来たりはするか?」

 しばしの思考の後、カルティナはルティカに対し、そんな問いの言葉を投げかけた。

カルティナが何かを思いついたようですが……?


といった所でまた次回! なのですが……すいません、次回も平時よりも更新間隔が1日多く空きまして……10月10日(月)の予定です。ただ、その次からは平時の更新間隔に戻る想定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ