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第4話 遺跡探索録。隠されし物。

「と、ともあれ、これで危機は去ったし、良かったのではないか?」

「それはまあ……そうっすけどね……」

 カルティナに対してルティカがそう返した所で、

「そ、それはそれとして……この部屋が、アサルトマーダーが潜んでいただけの場所だとは思えないのです。もう少し調べてみるのです」

 なんて事を言いながら周囲を見回すメルメメルア。

 

 そのメルメメルアに続くようにして、カルティナとルティカも見回すが特に何も見当たらなかった。


「これと言って何も見当たらないな……」

「やっぱり、単に自律稼働ガジェットの格納庫……みたいなものだったんじゃないっすかね……?」

「うーむ……。それはそれで腑に落ちない点があるが……というか、さっきから気になっていたのだが、あの魔導兵器の事を、何故ルティカは自律稼働ガジェットと呼ぶのだ?」

 ルティカの言葉にそう返しつつ首をかしげるカルティナ。

 こちら側の世界には、まだ自律稼働ガジェットは存在していない為、その反応は当然と言えば当然であった。

 

「あっ、え、えっと……っすね……」

 ギリギリの所で顔には出さなかったが、完全にやらかしたと思うルティカ。

 しかしそこで、どう返事をすれば良いのか分からず、しどろもどろになっているルティカに、

「――テオドールさん絡みの一件で、ガジェットを研究している施設に忍び込んだとかいう話を聞いたですが、もしかしてそれはルティカさんが関係していたです?」

 という助け舟を出すメルメメルア。無論、即興ででっち上げた話である。

 

「あっ! そ、そうっす! さ、最近、研究施設でああいった魔導兵器を再現したガジェットを研究、開発している場面を見たばっかりだったんすよ! で、そこでそう呼ばれていたんすよ! ほ、本当は秘密っすから、ここだけの話にしておいて欲しいっす!」

「ふむ、そうであったか……。わかった、誰にも言わずにおこう。……とはいえ、自分から口走ってしまうのはどうかと思うがな」

 ルティカの話に納得しつつ、忠告を返すカルティナ。

 

「そ、そうっすね。き、気をつけるっす……」

 そう返事をしながら、色んな意味で注意しなければ……と思うルティカ。

 

「いやはや、助かったっす……」

 と、いつの間にか奥の壁を調べていたメルメメルアに駆け寄り、小声で告げるルティカ。

 それに対して、

「まあ、うっかり口にしてしまうのもわかるのです」

 なんて返しながら、奥の壁に右手をつくメルメメルア。

 そしてそのまま、右手を上下左右にゆっくりと動かし始める。

 

「……? メルさん、一体何をしているっすか?」

「……ここの壁に『隠されている物』があるのです」

 ルティカの問いかけに、メルメメルアがサラッとそう答える。

 

 メルメメルアがそんな風に言い切れるのは、自身の目によって、『正面の壁』が『収納スペースを隠蔽するためにある』という『用途』について認識していたからだった。

 

「ここのパネルで手の動きを認証して、ロックを解除する事が出来るのです」

「ふむ? それはメルの異能の目……とやらで判明したのか?」

 そう言いながらメルメメルアへと近寄ってきたカルティナに対し、

「はいです。まあ、解除方法はラディウスさんの解析魔法を使って判明させたのですが……」

 と返すメルメメルア。

 

「そう言えば、そんなものもあったな……」

 カルティナがそう呟く横で、

「……これで開くはずなのです……」

 と言いながら手を右へスライドさせるメルメメルア。

 

 すると、カチッという何かが嵌るような音と共に、壁の一部が自動でスライドし始め、小さな箱が置かれた窪みがその姿を現す。

 

「トレジャーボックス……にしては小さいな?」

 カルティナはそう口にしつつ、箱を手に取り、蓋を開ける。


 すると、中にはクリスタルで作られた鉛筆のような形状の細い棒が入っていた。

 

「これは……なんだ? ――メル、これが何かわかるか?」

 そう言いながら、細い棒をメルメメルアへと見せるカルティナ。

 

 問われたメルメメルアはそれを見ると同時に、それがなんであるのかを理解した。

 故にカルティナに対して告げる。

「――それは、どこかのロックを解除する物……つまり、『鍵』なのです」

 と。

なにやら鍵が出てきましたが……?


といった所でまた次回! 次の更新は平時通りとなりまして、9月22日(木)を予定しています!

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