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第7話 情報伝達。迎えに来た者。

「――メルお姉ちゃん、朝ですです。起きてくださいです」

 カチュアがそんな風に言って、椅子に座ったまま机に突っ伏して寝ているメルメメルアを起こす。

 

「ん……んん……?」

 メルメメルアは寝ぼけ眼のまま顔を上げて周囲を見回し、そして問う。

「……もしかして、調べながら寝てしまっていた……です?」


「おそらくそうだと思いますです。途中で休んでしまったので、その後の事はちょっとわかりませんですが」

「むぅ……少し失敗したのです。もうちょっと調べたかったのです……」

 というメルメメルアの反応に、カチュアはその反応は何かがおかしいと思うものの、口にはしなかった。

 

「――それよりもメルお姉ちゃん、カルティナさんとルティカさんが来ていますですよ」

 カチュアからそう告げられたメルメメルアは、

「わわっ! 了解なのです。すぐに準備して行くのです」

 と、慌てて椅子から立ち上がった所で、目の前に積まれた本に視線がいった。

 

「……この本を戻してから……なのです」

「あ、それなら代わりに片付けておきますですよ」

「いえ、それはまずいのです。一緒に片付けるのです」

 そう言って本を手にとって本棚へと移動するが、ふたりで片付けてもそれなりに時間がかかりそうな状況に、

「そこのだけ片付けたら、あとは任せてくださいです。おふたりを待たせるのは悪いですし、残りは私だけでも十分ですです」

 と、そう告げるカチュア。


「それはまあ……たしかにそうなのですが……もし、この後で誰か来たら何者なのか確認出来ないのです」

「残りを片付けるくらいの時間なら問題ありませんです。それに……出るだけなら鍵なしでも開ける事が出来ますですが、外からは鍵がなければ中に入れませんです。」

 メルメメルアの懸念にそう答えるカチュア。


 厳重な扱いのされている場所である為、いわゆるオートロックのような働きをするガジェットの錠前が扉には取り付けられており、外に出るのに鍵は不要だが、外から出ると自動的に鍵がかかり、再度中に入るためには鍵が必要という特殊な仕組みとなっていたりする。

 なので、カチュアの言う通り外から入るには鍵が必要であり、持っていない者が侵入する事は出来ない。

 

「それはまあ……たしかにそうかもしれないのですが……」

「ほらほら、気にせず早く行ってくださいです」

 悩むメルメメルアの背をカチュアが押しながらそう告げて、積まれた本を手に取る。

 

「む、むぅ……。分かったのです。それでは任せるのです。ありがとうなのです」

 メルメメルアはこれ以上の押し問答は逆に迷惑になりそうだと考え、ここはもう任せるのが良さそうだと判断。カチュアにお礼を述べて書庫を後にする。

 

 ――ガーディマは私も気になりますですが、私がついていくわけにはいきませんし、メルお姉ちゃんにしっかり調べて貰うしかありませんです。

 

 そんな事を考えながら、本を片付けていくカチュア。

 そして、特に誰も姿を見せる事なく全ての本を本棚に戻し終えた事もあり、法国へ戻るべく部屋の外へと出る。


 と、その直後……

「――やはりそこに隠れていたか、カチュアよ。メルティーナ法国あたりへ逃亡していると思っていたのだが……いや、それとも一度行って戻ってきたか? 何にせよ好都合というものだ」

 唐突に、そんな昏い声がカチュアの耳へと響いた――

思った以上に長くなってしまったので、一旦ここで区切りました。

残りは明日……と言いたいのですが、残りの分がどうにも長すぎるんですよね……

さすがに3話にするのはテンポが悪い気がしていまして、微調整して1話に収める形にしようと思っていますので、残り(続き)は明後日で……


とまあ、そんな所でまた次回!

次の更新は上に書いた通り、明後日9月9日(金)になります!

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