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第4話 情報収集。ルティカとガーディマと。

「ん? 明日はここの仕事はないのか? ルティカ」

 聞こえてきた声の主――ルティカに対してカルティナが、そんな問いの言葉を投げかけると、

「ないっす。実はもうひとり働き手が増えたんすよ。で……その結果、良い感じにローテーション出来るようになって、明日と明後日は休みなんすよ、ボク」

 と答えながら、テーブルに水を置くルティカ。

 

「ふむ、そうであったか。ならば準備の方は任せても良いか? 私はメルの案内と情報収集の手伝いをしようと思う」

「任せるっす! ばっちりやっておくっすよ!」

 ルティカはカルティナに対してそう返し、右手をグッと握ってみせた後、

「そういえばテオドールさん、例の件の進展はどんな感じっすか?」

 と、そんな問いの言葉をテオドールへ投げかけた。


「そうですね……かなり大詰めではございますが、ここから少しばかり最後の『鍵』の準備に時間を要する……といった所でしょうか」

「なるほどっす。諸々納得アンド了解っす!」

 テオドールの返答に対し、一瞬だけメルメメルアに視線を向けつつそう返すルティカ。

 そしてその直後、テオドールとルティカのやりとりを見ていたカルティナが、

「む? 良く分からぬが、ルティカはテオドールさんに何かを頼んでいるのか?」  

 というもっともな疑問を口にした。

 

「そんな感じっすね。冒険者ギルドで『令嬢』に会いに行く為に必要な物を揃えて欲しいという依頼を受けているんすけど、その依頼にはテオドールさんの協力が必要な感じなんすよ」

 ルティカはカルティナに対してそんな風に言説明すると、階段から下を覗き、

「――っとと、下はまだ混雑してるっすね。そろそろ戻るっすけど、何か注文があったら遠慮なく呼ぶっす」

 と言って立ち去っていった。

 

「ふむ……。なんだか良く分からぬが、プレゼント……あるいは手土産的なものなのだろうか?」

 ふたりの会話がいまいち良く分からなかったカルティナがそんな風に呟くが、メルメメルアは、今の会話で色々と理解した。

 

 そう……テオドールとルティカのやり取りは、どちらの世界でもラディウスたちから離れた場所にいるメルメメルアに対して、ラディウスたちとアルフォンスたちの『現在の状況』を伝える為のものであったのだ。

 

 ――なるほどなのです。どうやらラディウスさんは、ディーゲルさんの娘を『重度隔離棟』から連れ出す為に、何かのガジェットを作る必要がある……と、そういう状況なのですか。

 であれば、こちら側でガーディマを継続的に探索する時間が十分に取れそうな感じなのです。

 まあ、ラディウスさんが想定以上の速度でガジェットを作り上げたり、並行する形で進行しているアルフォンスさんたちの動き――皇帝宮殿の監獄に囚われている妖姫様との接触、アルベリヒに協力せざるを得ない人たちへの接触――の結果次第では、急な対応が必要になったりしてくる可能性もありそうな感じはするですが……

 ……いえ、その時はその時というものなのです。

 とにかく、ガーディマが目の前にある以上、しっかりと調べるのが今はもっとも重要なのです。そうすれば、おそらくは……


 と、メルメメルアはそんな事を考えるのだった――

なんだかんだで物語的には折り返しを過ぎている事もあり、ガーディマの件は、世界と物語の根幹に繋がる話だったりします。

まあもっとも……ここまでの展開が既に想定していたよりもかなり長くなっているので、ガーディマの探索が決着つくまでに、どれだけかかるか怪しいですが……


といった所でまた次回! 次の更新は平時通りの間隔となりまして……9月3日(土)を予定しています!

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