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第3話 ラディウスの店。魔法の目と侵入者。

「すぐに行きたい所ではあるですが……まあ、あっちの状況も片付いていないので、それで問題ないのです」

「あっち?」

「せい……ま、『魔法の目』の事なのです!」

 カルティナの問いかけに対し、ついうっかり聖木の館と言いそうになりつつ、そう答えるメルメメルア。

 

「ああ、たしかにまだ視ていないな。それで? それを視られるものは見つかったのか?」


「えっと……」

 カルティナの再びの問いかけに、誤魔化したとは言えないので、即座に周囲を見回し、『それ』を探す。

 すると、見知った物とは形状が少し異なるが、それらしい物をすぐに発見する事が出来た。

 

「あ! おそらくあれなのです!」

 と、メルメメルアは『それ』を指で指し示しつつ、術式を確認し始める。

 

「台座の上に横長のプレートが浮いているガジェット? あれでどうやって視るのか、私にはさっぱりだな……。メル、起動させる事は可能なのか?」

 そう言って顎に手を当てながら首を傾げるカルティナ。

 

「ええっと……形状はちょっと違うですが、私の見知っている物と使われている術式がほぼ同じなのです。なので、これをこうして……こうすれば……」

 メルメメルアは、確認した術式から推測される起動方法を試し始める。

 

「――と、これで良いはずなのです」

 そう口にした直後、横長のプレートが4分割される形で、4ヶ所の映像が映し出された。

 

「なるほど、こういう風に映し出されるのか……」

「はいです。といっても、普通は1つしか映し出せないので、このように4つのセキュリティガジェットの『魔法の目』を同時に映し出せるというのは、さすがラディウスさんとしか言えないのです」

「そ、そうなのか。ま、まあ、さすがはラディだな……」

 プレートを見ながら、再び何やらウットリとした目になってしまったメルメメルアにそう返しつつ、

「……ところで、設置してから現在までの過去が視られるのはいいが、どうやって何者かが侵入した時間の過去を視るのだ? まさか……過去から今に至るまでの全てをずっと視続けるのか?」

 という疑問を口にするカルティナ。

 

「さすがにそれでは時間がかかりすぎるのです。なので、セキュリティガジェットが生体反応を捉えたタイミングの時間に合わせるのです」

 メルメメルアはそんな風に言って台座に描かれた二重丸をトントンと叩く。

 

 すると、台座とプレートの間に『最新生体反応:検索中』と表示され、しばらくそのまま待つと、それが『最新生体反応:3日前』という表示へと変更された。

 メルメメルアはその表示を確認しつつ、

「やはりというべきですかね? 侵入している者がいたようなのです」

と言いながら、台座に描かれた三角のマークを1回叩く。


「3日前……か。これは単なる泥棒の類ではなく、『ビブリオ・マギアス』……もっと言えば、魔軍の者が探りに来たと考えるべきか……?」

「それは視れば分かるというものなのです。この4つのいずれかに映し出されるはずなのです」

 メルメメルアからそう告げられたカルティナは、「ふむ……」と短く呟きながら4つの映像を1つずつ眺めていく。

 すると、3つ目の映像へと視線を向けた所で、ちょうど店の中へと入ってくる『侵入者』が、そこに映し出された――

何者かが忍び込んでいたようですが……?


といった所でまた次回!

次の更新は平時通りとなりまして、8月21日(日)を予定しています!

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