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第2話 ラディウスの店。魔法の目とガーディマ。

「ラディの設置しているセキュリティガジェット……とな? そのようなものが設置されているのか?」

「はいです。今は停止しているですが、私が入口の鍵を開けるまでは動いていたのです。どうやら、鍵がセキュリティガジェットのオンオフの役割を担っているようなのです。――さすがはラディウスさん、実に素晴らしい効率的な仕掛けなのです」

 カルティナの問いかけに対し、ややウットリとした目で鍵を見ながらそんな事を口にするメルメメルア。

 

「そ、そうか。た、たしかそうかもしれない……な?」

 カルティナは、メルメメルアのその言動にちょっとだけ引き気味にそう返すと、一呼吸置いてから、

「……それで、奥に行くのとそれが何か関係あるのか?」

 と、言葉を続けた。

 

「あ、えっとですね……私の想像通りであれば、そのセキュリティガジェットには『魔法の目』による監視機能が付いているのです。なので、その『魔法の目』を使って、ラディウスさんが不在の間の店内を――過去を視る事が出来るはずなのです」

 そうカルティナに説明しつつ、店の奥へと足を踏み入れるメルメメルア。


 なお、実際には『魔法の目』ではなく、監視カメラのように『過去の光景』を別のガジェットと通して映し出す代物なのだが、説明しづらいのでそんな風に言った感じだ。

 

「ふむ、なるほど……。過去を視られるとは実に便利だな……」

「過去……と言っても、あくまでも『魔法の目』を組み込んだガジェットを設置してから現在に至るまでの期間のみなのです。それ以上昔のものは無理なのです」

「さすがになんでもかんでも視えたりはしない……というわけか。もっとも、今の聞いた期間だけでも十分便利ではあるが。ある意味、さすがはラディだな」

 メルメメルアの話を聞いたカルティナが、顎を撫でながらそんな風に返す。

 

「いえ、『魔法の目』自体は、別に珍しくはないのです」

「ん? そうなのか?」

「はいです。セキュリティガジェットの類であれば、割と普通に組み込まれているのです」

 カルティナにそう返しつつメルメメルアは気づく。

 

 ――あ! しまったのです! それは向こう側の世界での話なのです……!

 ラディウスさんの話から考えると、こちら側の世界では、まだ普通ではない気がするのです……! 

 

 そしてすぐに、

「まあ……ある程度新しい物か、古代の遺物の類であれば……ではありますが」

 と、無理矢理そんな風に言葉を繋げた。

 

「ふむ……そう言われてみると、たしかにそれに近しい代物――侵入者を監視し続ける魔法が常駐されているガジェットを、街の北にある『ガーディマ遺跡』で見た事があるな……」

「えっ!? ちょっと待ってくださいです! ガ、ガーディマがこの近くにあるですか!?」

 

 ――ガーディマの遺跡についての話を、ちらっとラディウスさんがしていたですが、まさかこんな所にあるとは想定外なのです……っ!


 などと心の中で興奮するメルメメルアに、

「ん? ああ、北に浮き森の沼という所あってな。そこの空に浮いているぞ」

 と、少し首を傾げつつ告げるカルティナ。


「そ、空に浮いているですか。立ち入るのは難しそうなのです……」

「いや、入るのはそう難しくないぞ。遺跡だけじゃなくて、周囲の地面も浮いていて、良い感じに階段状になっているからな。そこを渡っていけばいい」

 少し残念そうに呟いたメルメメルアに対してカルティナはそう説明し、そして問いかける。

「――もしかして、メルはガーディマ遺跡に興味があるのか?」


「はいなのです! 凄く興味があるのです! 『魔法の目』を確認し終えたら、すぐに向かうのです!」

「わ、わかった。そ、それならガーディマ遺跡へも案内するとしよう」

 食い気味に肯定するメルメメルアに、カルティナは若干後ずさりながらそう言った所で、以前ラディウスと行った際の痴態を思い出し、

「……た、ただまあ……中はかなり複雑なのと、その……少々注意すべき魔物が周囲にいるのでな……。色々と準備しておかないと危険だ。明日でも良いか? というか、明日にして欲しい」

 と、羞恥で赤みを帯びた頬を指でなぞりながら、そんな言葉を紡ぐのだった――

この節はラディウスが(術式解析の為に)動けないので、基本的にはメルメメルアとカルティナがメインになる形での進行となります。


そして、ようやくガーディマ遺跡の話までやってきました……

序盤で登場して以来、ずっと放置されているような状態でしたからね……


といった所でまた次回!

次の更新ですが……少し先の話まで既に完成済みな事もあり、微調整だけして、明後日8月18日(木)中に更新する予定でいます!

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