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第5話 エリミネーター掃討後。異能なる目の力。

「というか……なんだけど、死にまくったからって攻撃を見切れるものなの……? いやそもそも、そんなにあっさり見切れるものなの?」

 ルーナがそんな事をカチュアに問うと、カチュアは、

「……? 攻撃を食らった時に目をつぶっていなければ、大体動きがわかると思いますですが……。食らわなくても数回同じ動きを見るか、あるいはじーっと見続けていれば分かりますですし……」

 なんて事をさらっと返した。

 

「う、うーん……。そんな事が出来るのは、多分カチュアだけだと思うわ」

「そうですね。しかし、相手の攻撃を見切る力……ですか。動体視力が優れているというだけでは、説明がつきませんね。一種の異能のようなものでしょうか」

 ルーナに続く形で、思考を巡らせつつそんな風に呟くように言うテオドール。


「……もしかしたら、それは古の時代の研究――実験の成果かもしれないのです。というのも、私も同じような『目』の異能のようなもの……目で見た物――遺物や素材がどういうものであるかを見抜く事が出来る力があるです」

「い、異能のようなものだったですか……です。それは気づきませんでしたです。というか、メルお姉ちゃんにも、同じような『目』の力――異能があるですか」

 カチュアはメルメメルアの口にした推測に驚きつつも、そんな風に言ってメルメメルアの方へと顔を向けた。


「はいです。まあもっとも、見た瞬間にわかるというわけではなく、じっくり見て理解するという感じではあるですが」

 頷き、そう告げたメルメメルアに対し、ラディウスが納得だと言わんばかりの顔で、

「なるほど、その力で鑑定士をしているってわけか」

 と、言った。

 

「そういう事なのです。冒険者の皆さんが持ち込んできた物を見て、どういうものであるかを理解した上で、『用途』や『価値』を考えて鑑定しているのです」

「物を理解した上での鑑定……。なるほど、それが帝国随一の鑑定士と呼ばれる所以に繋がっているわけですね」

 今度はテオドールがメルメメルアの言葉に納得して、そんな風に言う。

 

 ……ここまで無言だったセシリアはというと、未だにあれこれと思考を続けていた。

 

 ――騎士かぁ……。たしかにラディの横に並び立つなら、密偵よりもそっちの方が良いよねぇ……。でも、並ぶならどっちかというと……

 

「ところで……先程からセシリアさんは何を考え込んでいるんですか? です」

「えっ!? あ、いや……」

 思考の途中で唐突にカチュアに問われ、一瞬思考していた事をそのまま口にしそうになるも、密偵としての技量がギリギリで発揮され、既の所で踏みとどまった。

 しかし、無理矢理止めた上に、他に何も考えていなかった為、しどろもどろになるセシリア。

 

 ――な、なんとかラディの……ゴニョゴニョと口走るのは避けられたけど……な、なんて答えれば……

 ……え、えーっと……。……あ! そ、そうだ!


 セシリアはそんな事を心の中で呟いた後、

「いや、その……盾役をするなら、もうちょっと広範囲を守れる壁みたいなものを生み出す魔法とかが、この剣にあればなーって思ってね……!」

 と、口にした。

 

「そこまで深く考える事なの……? それ……」

 訝しげに問い返してくるルーナに対し、セシリアは思う。

 

 ――うんまあ、そう感じるよねぇ……普通。やっぱり無理矢理すぎたよねぇ……この言い訳。

 で、でも、このまま押し切るしか……っ!

 

 と。

……この辺り(目の異能)の話、実の所もうちょっと早めに出したかったのですが、なかなか機会がなく……結局、こんなタイミングになってしまいました…… orz


といった所でまた次回! 次の更新は平時の間隔通りとなりまして、4月24日(日)を予定しています!


※追記

エリミネーター掃討戦というサブタイトルが微妙だった為、若干変更しました。

……もっとも、微妙さはあまり変わっていない気もしますが……

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