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第11話 街へ赴いて。オリジナリティ溢れる術式。

「たしかに未完成品のガジェットが学びの基礎となったのなら、オリジナリティ溢れる術式が生み出されるのも、なんだか納得なのです」

「……そこまでオリジナリティ溢れてるか?」

 メルメメルアの発言に対し、ラディウスがそう問いの言葉を返すと、メルメメルアのみならず、アルフォンスたちも含めたその場の全員が頷く。


「そ、そうか……。まあ……あのガジェットからは、術式の構成の仕方とか、それぞれの持つ意味とかくらいしか、学べる物がなかったから我流で構築するしかなかったんだよなぁ……」


 ――もっとも、地球で磨いたハードウェアの知識と技術を応用する事で、かなりの部分が解決出来たから、たしかにオリジナルな部分は強いかもしれないな。

 本来の術式は、なんというか……無駄な部分が多いように感じられるから、我流で結構弄ってるが、たしかにもうちょっとベースとなっている術式を理解してみるのも良い気はするな。

 

 ラディウスはそこまで心の中で呟いた後、

「うーん……きっちりベースを知るという意味でも、一度しっかりゴルドール派とやらの作った術式について、全般的に学んでみるのも良いしれんが……まあ、そのうちだな。今は聖木の館やアルベリヒをどうにかしないと」

 と、言葉にして発した。

 そしてそれに対し、アルフォンスが腕を組みながら同意の言葉を口にする。

「だな。色々話が逸れちまったが、さっき向こう側に移動して、部隊をそっちに向かわせる手はずは整えた。あとは、ラディウスとルーナの作っているガジェットが完成すれば、いつでも大丈夫だぜ。まあ、ラディウスの方のガジェットは後回しでも大丈夫っちゃ大丈夫だが」

 

 そう、メルメメルアの感じた3人の無言の『間』は、アイコンタクトをしていただけではなく、向こう側へ移動して諸々の手はずを整えて戻ってきた為でもあったのだ。


「いつの間に……。って、平行世界間移動は、タイムラグゼロだからそうなるか……。なるほど、外から見ていると本当にいつ転移しているのかがさっぱり分からないな」

「ですです。私も少し前までそんな感じだったのです。先程の短い無言の『間』はこれだったですね」

 納得の表情で話すラディウスに、首をコクコクと2回連続で縦に振ってそんな風に言うメルメメルア。

 

「ま、そういう事だ。ともあれ……メルメメルアと話をしたお陰で、次にやるべき事の方針は決まった。良い情報をくれてありがとな」

「だわだわ。やっぱりメルに聞いて正解だったのだわ」

「いえ、私の話は大した物ではないのです。あの程度の話でここまで物事を進められる皆さんが凄いのです」

 アルフォンスとクレリテのお礼の言葉に、メルメメルアは少し照れながら、首を横に振ってそう返す。

 

「そんな事はありませんよ。我々とて話を聞かなければ、このような方針を立てる事すら出来なかったのですから」

 リゼリッタはそう言って一度言葉を切ると、アルフォンスとクレリテを見回してから、

「それと……我々は帝国という強大な存在に対して少数ですからね。数的な差を埋めるために、得た情報を最大限役立てる事に慣れているだけで、特別優れているわけではありませんよ」

 と言葉を続け、アルフォンスとクレリテがそれに頷いてみせる。


 ――それは十分優れていると思うが……。ま、敢えて言う事でもないか。

 

 ラディウスはそんな風に思いながら、

「さて……それなら俺もやるべき事をやらないとな。不足している物を調達して、ガジェットを完成させないと」

 と、肩をすくめながら告げた。

若干区切りが悪いのですが、このまま行くと大分長くなってしまうので、一旦区切ってしまいました。

というわけで……また次回! 次の更新はいつもどおりの間隔に戻りまして、3月13日(日)を予定しています!

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