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第5話 街へ赴いて。本題と気づいた事実。

いつもより若干長めです。

 サンプーチャンを始め、古の時代の再現スイーツ――ラディウスからすれば、転生前に地球……日本で見た事のあるスイーツ――を堪能した所で、

「――ふぅ。堪能したのだわ。満足なのだわ」

 などと、心底満足そうな表情で口にするクレリテ。

 他の皆も言葉にはしていないが、その表情で満足である事を語っていた。


「ああ、幾つかはかなり久しぶりに食べて懐かしさがあったな」

「こっちの世界は、古の時代の料理が数多く再現されている感じなのです?」

 ラディウスの言葉に、そういう解釈をしたメルメメルアが問いかける。


 ――転生する前に食べた……とは言えないしなぁ……

 

 と、ラディウスがどう答えた物かと思っていると、

「こっちの世界は古の時代の技術的な記録やガジェットそのものに関しては、あまり有用な記録が残されていない傾向にある反面、どういうわけか文化的な記録は比較的得やすいから、結構料理とか再現されてんだよな」

「ええ。地方に行ったら、古の時代の料理が村の名物や口伝として伝えられ続けているなんて事も結構ありますね」

 なんて事を言うアルフォンスとリゼリッタ。

 

「なるほどなのです。こちらの世界とあちらの世界の違いは、そんな所にもあるですね」

 納得の言葉を口にしたメルメメルアにラディウスはこれ幸いと、

「ああ、それがどうしてなのかはよく分からないけどな」

 と言って、頷いてみせた。


「さて、しっかり堪能した所で、本題に入るとしましょうか」

「あ、それですそれです。聞きたい事というのはなんなのです?」

 本題について切り出すリゼリッタに、メルメメルアがそう返して首を傾げる。

 

「ああ。『アルベリヒに協力する技術者たち』について詳しく知らないかと思ってな」

「……アルベリヒに協力する技術者……です? それは、古の時代から何らかの方法で現代へと時間を超えてきた人々の事です?」

 アルフォンスの問いかけに対し、メルメメルアは顎に手を当てながら、疑問の言葉を投げ返す。

 

「そうなるのだわ。きっと、アルベリヒに従わざるを得ない状況で従っている者もいると思うのだわ。そういった人物に手を差し伸べる……というか、ぶっちゃけこちらに引き入れたいのだわ」

「アルベリヒに協力する技術者……か。ディーゲルとかがまさにそうだよな」

 クレリテの言葉に続くようにして、そう口にするラディウス。

 

「はいです。そして、クレリテさんが言うように従わざるを得ない状況で従っている者のひとりなのです」

 頷いてそんな風に言ったメルメメルアに対し、

「ひとり……なんつー言い回しをするってぇ事は、同じような状況にある者たちについて知っている……つーわけだな?」

 と、腕を組みながら改めて問うアルフォンス。

 

「はいです。一応、アルベリヒに近い位置にいたですから、その辺りの情報もしっかり把握しているのです。……まあ、『従わざるを得ない状況』である事を認識したのは、最近ではあるですが……」

 再び頷いてそう答えるメルメメルアに、今度はリゼリッタが、

「なるほど……。それはアルベリヒのマインドコントロールによって、認識をずらされていた感じですか?」

 という疑問の声を投げかける。

 

「その通りなのです。ラディウスさんの出会ってディーゲルさんの一件を経験しなかったら、おそらく今でも何の疑問も持たずに、『自ら進んで協力している』と思い込んでいたと思うです」

「まあ、俺たちも『現皇帝』という存在について、何の疑問も持っていなかったしな……」

 納得の表情でそう言葉を口にしたアルフォンスに、メルメメルアが首を傾げる。

「……? それはどういう事なのです?」

 

「ああ、実は俺たちもまさに『気づいた』ばかりなんだがな――」

 と、アルフォンスはそう切り出し、メルメメルアの部屋でのデーヴィトを交えた会話について、メルメメルアとラディウスに説明する。

 

「……い、言われてみると、たしかに『現皇帝』については謎すぎるのです」

「この感じだと、知らずしらずのうちに認識や思考をずらされているのが結構ありそうだな……」

「あ、ありえそうで困るのです……」

 ラディウスの言葉に、メルメメルアは額を手で抑えながらそう返し、ため息をついた。


「――というか、今思うと……レゾナンスタワーから戻ってきた時に、アルベリヒがメルに『封魂術のガジェット作成』を、エンシェントファクトリーや悠久工房に頼むよう言っていたが、あれも何かあるんじゃないか? なんで、アルベリヒはあの2つを提示してきたんだ?」

「……それは、あの場所から近……い……。……? ……っ!?」

 メルメメルアはラディウスの問いかけにそう返事をする途中で、とんでもない事実に気づいたと言わんばかりの目を見開いた表情を見せた後、

「あああああぁぁぁぁぁっっ!」

 と、叫んだ。

今回は本題に入る前の話がやや長くなった為、全体的に長めに……

ともあれ、ここからはあれこれと話が展開していきますよ!


と、そんな所でまた次回! 次の更新は2月20日(日)を予定しています!

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