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第4話 ガジェットの力。セシリアとメルメメルア。

「そうは言っても、あっち――戦闘状態じゃゆっくり説明出来ないしな。……それに、まだ聖木の館へ行く準備が整っていない」

 ラディウスがセシリアにそう答えると、セシリアは、

「まあ……たしかに……」

 と言いながら、剣を自身のストレージへと戻す。

 そして、

「あ、そうだ、斬り込んだ所のすぐ近くに偶然メルメルがいたから、ルーナの事は伝えといたよ。多分、カチュアちゃんにも今頃伝わっているはず。それと、はいこれ」

 と、そんな報告を続けて口にしつつ、氷晶をラディウスに手渡した。

 

「お、これも受け取れたのか。ナイスだ」

 セシリアの報告に対し、そう返しながらストレージに氷晶をしまうラディウス。

 

「それがあればどうにかなるんだよね?」

「ああ。少し時間はかかるが後は作るだけだ」

 セシリアに対してラディウスが頷いた所で、ルーナが問いかける。

「それって、あの世界――並行世界で必要になるのよね?」

 

「ああ。その辺も含めて一旦詳しく説明するとしよう」

 ラディウスはルーナの方を向いてそう告げると、向こう側の世界の状況とそれまでの流れを説明し始めた――


                    ◆

 

 一方その頃――

 

「急に向こう側に移動したからビックリしましたです」

「たしかに、なのです。でも、上手い具合にセシリアさんに氷晶を渡せたのです。こちら側に戻ってきたという事は、今頃きっちりラディウスさんに渡っているはずなのです」

 カチュアに対して頷きつつ、そんな風に言うメルメメルア。


「セシリアさんの位置、予想通りで驚きましたです」

「セシリアさんはとても分かりやすい人なのです。だから、あのタイミングでどこへ攻撃を仕掛けるかを推測するのは、そこまで難しい事ではないのです」

 そう、セシリアは偶然だと言っていたが、実際にはメルメメルアがセシリアの動きをある程度予測し、近づいていった結果だったりする。

 

「そう言われてみると、ラディウスさんもセシリアさんの動きを把握しているかのように、サポートしたり連携したりしていたのです」

 カチュアがカレンフォート市での一件――地下水路でジェイクスと遭遇戦をした際の、ふたりの動き――を思い出しながらそんな風に言うと、

「ラディウスさんとセシリアさんは幼なじみなのです。私以上に、セシリアさんの動きを理解していてもおかしくはないのです」

 と、そう返すメルメメルア。

 

 そして、

「……まあ、ラディウスさんと幼なじみとか、ちょっとセシリアさんが羨ましいと思わなくもないのです。私ももう少し昔から知り合っていたかったのです……」

 なんて事を小声で呟いた。


「……? メルお姉ちゃん、声が小さくて良く聞き取れませんでしたです。もう一度言ってくださいです」

 メルメメルアの小声での呟きが、自分に対して何か言っているものと勘違いしたカチュアが、首を傾げながらそんな風に言う。

 

 メルメメルアは「えっ!?」という驚きの声と共に、少しバツが悪そうな表情をしつつ、

「あ、えっと……そ、その……ル、ルーナさんが加わったようなのですが、ルーナさんについて私は詳しく知らないのです。だから、詳しく教えて欲しいのです」

 と、目をやや泳がせ気味に言った。

 

「あ、なるほどですです。私もそんなに詳しいわけではありませんですが、ルーナさんについて説明しますです」

 メルメメルアの目がやや泳いでいた事に気づいたカチュアだったが、そこには触れずにそう答える。

 

 ――あれ? もしかして……メルお姉ちゃん、ラディウスさんの事が好きだったりしますですかね……?

 

 なんて、ふとそんな事を思いながら。

というわけで(?)氷晶がラディウスの手に渡ったので、本格的に『向こう側』の話に移ります!


そして、次の更新ですが……1月1日(土)を予定しています! 元旦です!

まあ……元旦らしい話には全くならないのは確実ですが……

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