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第1話 ガジェットの力。アルフォンスの提案。

 アルフォンスはラディウスを大封印から少し離れた場所にある部屋に呼ぶと、向こう側でクレリテやリゼリッタと話した内容を伝え、

「とまあ……そういうわけで、こいつが手に入ったんだわ」

 と言いながら、例のガジェットをテーブルの上に置いた。

 

「なるほど……。魔軍事変の時と同じで、このガジェットを持っているビブリオ・マギアスの人間がいた……と」

 ラディウスはそう言ってテーブルの上に置かれたガジェットを見ると、アルフォンスから聞かされた話を頭の中で整理し始める。

 

 ――魔軍事変同様に、不気味な『顎門』を顕現させ、自身を喰わせた……か。

 しかも、そいつはこれまた魔軍事変同様に、このガジェットを持っていた……

 しかし、そいつを含めてビブリオ・マギアスの連中は、このガジェットで並行世界間を移動している様子も、過去へ戻っている様子もない……と。

 たしかにアルフォンスの言う通り、並行世界間を移動したり、過去へ遡ったりする為には何らかの条件を満たしている必要があるようだな。

 俺らはどういうわけか、その条件を満たしているようだが……何が条件なのか、さっぱりだな。

 

「んで、だ。こいつをルーナに渡して、『向こう側』で聖木の館を制圧して欲しいんだが……どうだ?」

 アルフォンスの投げかけてきたその提案に対し、ラディウスは思考を中断し、

「……どの道、聖木の館には用があるので、今攻めてきている奴らをどうにかしたら、乗り込む予定ですが……制圧となるとなかなか厳しいような気もしますね。聖木の館を破壊するだけでいいのならどうにかなりますが……それだと、事実上囚われの身となっている人々も巻き込んでしまいます。なので、その人々を救出しつつ掃討する必要がありますし……」

 と、答える。

 

「そこは部隊を1つ送るから、それを上手く使ってくれねぇか?」

「部隊……ですか? それの規模は?」

「大隊クラス――約1000人だな」

 ラディウスの問いかけにそう答えるアルフォンス。


 ――1000人……。さっき言われた敵の戦力を考えるならば、それでも足りない気はするが、俺が戦闘用のガジェットを作って渡せば、どうにかなる……か?

 だが、1000人分ものガジェットを作るのは骨が折れ…………いや待てよ? 何も1000人分作る必要性はないのか。

 救出した人々を外に運び出したり、脱出路の確保をしたり、外での拠点構築などを行う後方支援要員の分は、なくても問題はないはずだ。

 そして、制圧戦を担当する人員よりも、そっちを担当する人員の方が多くなるのは間違いないし……どうにかなる気もするぞ。

 それに……ルーナも向こう側へ行けるようになれば、色々と取れる手段が増えるしな。

 

 ラディウスはそこまで思案を巡らせ所で、向こう側の状況を打開するには、アルフォンスの提案に乗るのが最良だと判断、

「わかりました。おそらくどうにかなると思うので、やってみましょう。……まあ、まずはルーナに説明しないと駄目ですが……」

 と、そうアルフォンスに伝える。

 

 それに対しアルフォンスは、納得の表情で、

「ああそうだな。それはその通りだ。んじゃ、早速ふたりの所へ戻るとすっか」

 という同意の言葉を紡ぎ、部屋のドアを開く。


 ラディウスは、それに続きながら思考を巡らす。


 ――しかし、1000人の部隊を動かす……か。

 まさか、ここまで大規模な話になるとは思ってもいなかったな……

 まあもっとも、テオドールさんがアルフォンスの指示に従って、俺たちに接触してきた時点で、どう動いてもこうなる流れだったような気もしなくはないがな。

 やれやれ……なんというか、さすがはゼグナム解放戦線リーダーでありながら、神剣教会の教皇までしているだけはある、というべきか。

 まったくもって、どこまでが『アルフォンスの想定通り』なのやら……だな。

 

 ラディウスは視線をアルフォンスの背に向け、心の中でため息をついた。

色々あって更新が大幅に遅くなってしまいました……


さて次の更新ですが、12月23日(木)……つまり、明後日の予定です!

今度は、遅れずに更新出来るはず、です……

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