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第24話 大封印と氷晶。ビブリオ・マギアスの謎。

「――つーわけで……クレリテの推測通り、セシリアは魔軍事変の際にガジェットを手に入れたようだぜ」

 ラディウスとセシリアから聞いた話を、クレリテとリゼリッタに告げ、そう締めくくるアルフォンス。

 

「やっぱり、なのだわ」

「しかし……そうなると、どうしてこのガジェットがここに落ちていた――いえ、ルドガーが持っていたのか……が、謎ですね」

 頷くクレリテに続く形で、そんな事を口にするリゼリッタ。

 

「ああ。そいつに関しては俺も疑問なんだよな。ルドガーはビブリオ・マギアスの回し者だったわけだが……その事と、魔軍事変の黒幕だった奴が持っていたと思しきガジェットを、セシリアが手に入れたっつー話とを合わせて考えると……ビブリオ・マギアスはこのガジェットを所持していやがるっつー事になるだろ?」

「むむむ……。たしかにそう考えるのが妥当なのだわ」

 アルフォンスの話を聞いたクレリテが、腕を組みながらそう返す。


 アルフォンスはそれに頷いてみせると、

「だけどよ、少なくとも俺は奴らがこのガジェットの持つその機能を使っている所を見た事がない。つーか、そもそもこいつはインストール型だ。ガジェットが落ちている事自体がおかしいんだよ。インストールされたガジェットは、持ち主が死のうが何しようがその身体から分離されたりなんざしねぇからな」

 と、そう言葉を続けた。


「なるほど……。つまり、ビブリオ・マギアスはこのガジェットを持ってはいるものの、過去や並行世界への転移は出来ない……あるいは、そういう用途で使える事を知らない可能性がある……と、そう言いたいわけですね?」

 口元に手を当てて思案していたリゼリッタだったが、アルフォンスが何を言いたいのかを理解し、そんな風に言いながらそアルフォンスへと顔を向けた。

 

 それに対しアルフォンスは、「ああ、その通りだ」と答える。

 

「でも、並行世界への移動が出来るという性質についてはヴィンスレイドの件で、過去へ戻るという性質についてはカチュアの件で、それぞれ知られているような気がするのだわ」

「そうだな、そいつもその通りだ。だから、『転移出来ない』の方なんじゃねぇかと俺は思っている」

 クレリテのもっともな発言に、そう答えるアルフォンス。


「なるほどなのだわ。ちなみに、その転移出来ない理由は何か推測出来ているのだわ?」

「ああ。――あくまでの可能性だが……転移するためにはインストールが必須なわけだが……そのインストールの条件を満たしていねぇんじゃねぇか?」

 クレリテの疑問にそんな感じで返事をすると、それを聞いていたリゼリッタが、

「インストールに条件なんてあったのですか? 私は普通に触れただけで使えるようになったからさっぱりわからりませんが……」

 という新たな疑問の言葉をアルフォンスに投げかける。


「いや、正直俺も知らん。だが、そういうモンがあると考えた方が、色々と辻褄が合うってだけだ」

「まあ……たしかにそうですね。そして……そのせいでビブリオ・マギアスの連中は、カチュアさんが時を遡る事が出来るのは、カチュアさん自身の異能かなにかによるものだと考えているのかもしれませんね」

「ああ。実は自分たちが持っているガジェットの力である、という事に気づいていないからこそ、カチュアを何とかして葬り去りたいと考えている可能性は十分にある」


 そんなふたりの話を聞きながら、クレリテは思案を巡らせる。


 ――もし、アルの示した可能性通りだったとしたら……私たちと、このガジェットを持っていたビブリオ・マギアスの人間との違いとはなんなのだわ……?

 

 と。

前回と今回の話、もう少し短い想定だったのですが……思った以上に長くなってしまいました。

少し話のテンポが悪くなってしまっているので、次の話から少しテンポを良くしたい所です……


といった所でまた次回! 

なのですが……次回の更新も少し間が空きまして……12月16日(木)を予定しています。


その次からは普段の更新間隔に戻したい所ですが、若干怪しいです……

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