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第8話 魔工士は告げる。そして密かに決意した。

予約投稿の日にちがズレていました……

(なので手動投稿しました)

「はぁ……まあいいわ……」

 マリエルはため息をついた後、それよりも……とラディウスの方を向き、

「……そうだとすると、伯爵様が全て承知の上で、マークス兄さんにあの腕輪を身に付けさせた……と、そういう事ですか?」

 そう問いかけた。


「はい、その可能性もあると俺は思います。ただ、本当にヴィンスレイド伯爵が何も調べておらず、防御系の魔法が使えるようになるという事も、他の誰かから聞いて知っていた……という可能性も同じくらいありえるので、先程の腕輪を詳しく調べてみるまでは、あくまでも仮説の1つでしかありませんが」

「……もしその仮説が本当だったとしたら、とても面倒な事になるわね……」

 マリエルは腕を組んだままそう言って、首を左右に振った。

 

「た、たしかにそうね……。な、なんだか、怖くなってきたわ」

 そう言って自分の肩を抱いて身震いするルーナ。

 

「まあ、その時はその時だ。場合によっては、神剣教会の知り合いに頼む」

 ――地方を治める伯爵よりも、神剣教会の方が権威があるしな……。セシリア、あるいはクレリテやマクベインさんを頼ればなんとかなるだろう。

 駄目そうなら、もしくは状況によっては……その時は直接……

 と、心の中で密かにひとつの決意をしながら、ルーナを安心させるべく言葉を紡ぐラディウス。

 

「え? ラディって、神剣教会に知り合いがいるの? ……って、そういえば、マクベインさんの紹介でウチに来たんだったわね……」

「そういう事だ。まあ、他にもいるけどな」

 ラディウスはルーナにそう答えると、聖女とか、と心の中で付け加えた。

 

「それはそれとして……。一応、ヴィンスレイド伯爵には何も言わずにおいた方がいいですね。もし、伯爵かその家臣が様子を見に来た場合は、完治したとは言わない方がいいと思います」

 ルーナからマリエルへと視線を移し、そう告げるラディウス。

 マリエルは頷き、同意する。

「ええ、私も今、そう考えました。伯爵様に対しては、上手くごまかすようにします」


「ところで……さっき、常駐状態のシャドウコラプスは見えないって言ってたけど、どういう事なの? マークスおじさんの部屋でも、見えないものが急に見えるようになったのは何故なのかって、私聞いたけど、その常駐状態っていうのが関係しているの?」

 玄関に辿り着き、腕輪と伯爵に関する話が一通り区切りがついた所で、ルーナがラディウスに疑問の言葉を投げかける。

 

「あ、そう言えば、その話は後でと言ったまましていなかったっけな……。んー、長くなるから町に戻る道中で説明するよ」

 そうラディウスが答えると、ルーナは「わかったわ」と言った後、

「――それじゃお母さん、気をつけて帰ってきてね。……私たち、来る途中で魔物に襲われたし、ちょっと森が物騒な事になっているかもしれないわ」

 と、マリエルに対して注意を促した。

 

「あら、そうだったの? まあ大丈夫よ、ここらへんに生息する魔物の1匹や2匹……いえ、10匹だろうとどうとでもなるし」

「そ、それは……まあ、たしかにそうかもしれないけど……」

 

 ルーナに対して握りこぶしを作ってみせるマリエルを見て、ラディウスはどういう事なのかと思ったが、後でルーナに聞けばいいかと思い、とりあえず口にはしないでおいた。

 

「それより、魔物と遭遇した割には、槍にも盾にも魔物の血や油が付いているようには見えないわね……。ラディウスさんが魔法で倒したの?」

「ううん、私が魔法で倒したわ」

「それもまた驚きねぇ……。……というか、どうして顔が赤いのよ?」

 マリエルがルーナの表情が赤い事に気づく。

 

「え? えっと……その、た、倒す時に、魔法でちょっと失敗したのを思い出しちゃったというかなんというか……」

 マリエルに問われたルーナは、顔を赤くしたまま、歯切れ悪くそう答える。


「失敗って……何をやらかしたのよ?」

「た、大した事じゃないわ! そ、それじゃあね!」

 いたたまれなくなったのか、ルーナはそう答えると勢いよく玄関のドアを開け、外へと駆け出す。無論、ドアは開けっ放しだ。

 

 そのルーナの背中を見ながら、今度はラディウスに問うマリエル。

「あの……ラディウスさん、あの子は一体全体なにをしでかしたんですか?」


「えー、あー、その……まあ、ちょっと余計なものまで壊しただけです。ただ、まあ、その……それに関しては、俺が魔法で修復しておいたので、ご心配にはおよびません。――では、失礼します」

 ラディウスは額に手を当てながら、どういうべきか迷いながらそう答え、お辞儀をしてルーナを追う。

 

「一体、何を壊したのかしら……」

 と、マリエルはラディウスによって閉じられた玄関ドアを見つめながら、頬に手を当てて首を傾げるのだった――

設定を間違えて明日の投稿になっていた事に、予定時間の1時間後に気づきました……

本来の予定よりも遅れての投稿となります…… orz


追記:脱字修正

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