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第18話 大封印と氷晶。鍵とルーナの説明。

「鍵、というのは便宜上の言い回しでして、実際には術式のMPAEユニットに連結されているSCCアキュムレーターや、多重術式から必要な情報を読み出す為に使われるSACレジスタといった、諸々の代物などの構成から考えるに、PPAコードの刻まれたDAキーを術式内の紋様――あの3本の剣を重ねたような紋様――にセットしないといけない感じなんですよ」

「………………」

 ルーナの説明を聞いたアルフォンスは、しばしポカーンとした後、お手上げだと言わんばかりに手を広げながら、

「……すまん、何を言っているのかさっぱりわからん」

 と、そんな風に言った。

 

「あ、猊下でも分からないんですね、やっぱり」

「俺は魔工士じゃねぇからな。……つか、魔工士でも分からねぇんじゃねぇか? それが分かるなら、とっくの昔に――以前、ここを調べた魔工士たちの誰かから、その情報が出てきてるだろうかんな」

「ですねぇ」

 セシリアとアルフォンスのそんなやり取りにルーナは、

「あ……。えーっと……ど、どう説明すればいいのかしら。……えーっと……そもそもDAキーというのは、ディスペルアクティベートの事で……って、あれ? ディスペルアクティベートって何の事を指しているんだったかしら……」

 と、そんな事を言った後、ブツブツと呟きながら考え込む。

 

 高度すぎる技術力を、色々と基礎として学習すべき部分……課程をすっ飛ばし、短期間で得てしまった代償なのか、ルーナは術式のそれぞれの機能や役割、そしてそれの『名称』などは理解しているものの、それを分かりやすい単語に置き換えるという点が、まったくと言っていいレベルで出来なくなっていたりする。

 

 それに気づいたラディウスは、もう少し基礎を教えるべきかもしれないな……と思いつつ、 

「……簡単に言うと、認証コードの設定された長方形の物――それこそカードキーのようなものが必要だという事ですね」

 と、アルフォンスとセシリアを交互に見ながら告げた。

 

「ああなるほどな。それなら理解出来るぜ」

 ラディウスの発言でようやく理解したアルフォンスが、頷いてそう告げる。

 

「まあ、カードキー自体もあまり見かける代物じゃないけどね。……この中央聖塔だと何故か普通に見かけるけど……」

 肩をすくめながらラディウスの方を見てそんな風に返すセシリア。

 そのセシリアの言葉を聞き、

「そうだな。この中央聖塔で使われているのは、古代遺跡から発見された物を、とある場所で得た技術と情報を用いて解析、再現したものだ」

 と、呟くようにアルフォンスが口にする。


 ――とある場所って……向こう側の世界の事だよね、きっと。

 向こう側の世界では、カードキーが既に一般的な物となっていて、あちこちで普通に使われているみたいだし。


 そんな感じで、セシリアがアルフォンスの発言について思考を巡らせていると、

「あ、私たちの部屋の鍵がそれですよね。昨日受け取った時に少し驚きました。もっとも、その場で解析して鍵である事はすぐにわかりましたが」

 と、サラッとそんな事をルーナが口にした。


 そのルーナのあまりにも想定外な反応と行動に、セシリアは驚けばいいのか呆れればいいのか、それとも関心すればいいのか迷った結果、呆れる事にした。

「驚いたの少しだけなんだ……。というか、その場で解析したんだ……」

  

 ――これ、やっぱり早い内にルーナを『向こう側』との行き来を出来るようにした方が良いんじゃないかなぁ……

 ルーナがラディと一緒に行動する時間が増えるのがなんかちょっとあれだけど……でも、そんな事気にしている場合じゃないような気がする。ホントに。

 

 なんて事を思いながら……

ディスペルアクティベートキー……要するに、ディスペル(魔法の解除)を、アクティベート(認証して実行)する為のキー(鍵)です。


とまあそんな所でまた次回! 次の更新は、11月24日(水)の予定です!

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