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第12話 大封印と氷晶。魔法陣と聖剣と。

 一方その頃――

 

「セシリア、こいつを聖剣で両断してくれ」

 ラディウスが大封印を形成する魔法陣のひとつを指差しながらそんな風に言う。

 

「え? 両断? それ斬れるの?」

「斬れる」

「そう言い切るって事は斬れるんだろうけど……ホントに斬っちゃっていいの?」

「ええ、問題ないわよ。というよりも、そこの所って聖剣で斬る――いえ、認証させる事が前提になっているし」

 セシリアの問いかけにラディウスに代わってそう答えるルーナ。

 

「神剣教会の総本山――中枢にある封印だから、聖剣……というか、そのガジェットが持つセキュリティコードが必要になるだろうとは思っていたが……まさか、早速こういう仕組みで来るとはな。さすがは今まで解けなかっただけはある、って感じだ」

 肩をすくめてみせるラディウスに対しセシリアは、

「うーん……良くわからないけど、斬っちゃっていいなら、とりあえず斬るね」

 なんて事を言いながら聖剣を上段に構えると、そのまま魔法陣めがけてまっすぐ振り下ろした。

 

 直後、斬撃が通った場所がまるでノイズが走ったかのようにブレたかと思うと、パキィンという、まるで陶器が割れるかの如き音が響き渡り、魔法陣のひとつが霧散した。

 

「手応えが全然なかったけど……たしかに普通に斬れたね。まあ、正確に言うなら剣で魔法陣をなぞったら、なんか良くわからないけど勝手に消えた、って感じだけど」

 そう呟くようにセシリアが言った直後、魔法陣があった場所に、新たに一回り小さい魔法陣が浮かび上がってくる。

 

「って! ふ、復活した!?」

 驚くセシリアに対し、ラディウスとルーナは逆に冷静だった。

「いや……魔法陣の構造が違う。どうやら多重構造になっているようだな……」

「ひとつ解除してもその先にまだあるとか、厄介すぎるわね……これ」

「ああまったくだ。やれやれ、こいつは時間がかかりそうだなぁ……」

 なんて事を言いながら、魔法陣を舐め回すように見るふたり。


「あ、そういえば……時間がかかると言えば……なんだけど、アルフレッド猊下、調べる物があるとか言って上に戻って行ったままだよね」

「ああ、たしかにそうだな。あの感じだと、氷晶を取りに行ったクレリテたちに関する何かだと思うが……」

 セシリアに対し頷き、腕を組みながらそう返すラディウス。

 

「猊下自ら調べるとなるとそんな気がするわね」

 ルーナもこめかみに人差し指を当てながらそんな風に言う。


 と、そこでラディウスはふたりの口にした言葉に、ふと地球での記憶を思い出し、そして疑問を抱いた。

 

 ――今更といえば今更な話だが……なんでアルフレッドの敬称って『猊下』なんだ?

 地球ではたしか、『聖下』とか『台下』とかそういう感じの敬称を使っていたはず……

 うーん……もしかして、実はクレリテがアルフレッドよりも『上位』だったりする……とか?

 まあ、単にこの世界ではそういうものだっていう、ただそれだけ話である可能性もありえるけど。

この疑問、もうちょっと後に出す予定だったのですが、あまりに遅すぎる気がしたのでここに持ってきました。

……まあ、若干もっと早い段階で出しても良い気はしていますが……


とまあ、それはそれとして次回の更新ですが……11月6日(土)を予定しています!

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