第7話 大封印と氷晶。大封印という魔法。
予定よりも1日遅くなってしまいました……
「なんというか……『マジックストラクチャー・オープン!』って、やらなくても既にオープンされているかのようね……」
巨大な扉――大封印を見上げながら、そう言って肩をすくめるルーナ。
「これ全体が――扉自体が常駐魔法だからなぁ……。まあ、『封印』っていうくらいだから常駐魔法に決まっているんだけどさ」
「それはたしかにそうね。常駐していなかったら封印にならないし」
そんな事をラディウスとルーナが言っていると、
「これ、斬れたりしないのかな?」
などと呟くように言いながら、聖剣をストレージから取り出すセシリア。
「過去にそれを試した奴が何人もいたが、誰一人として斬れた奴はいねぇな。見ての通り傷一つ残っていねぇくらいだ」
アルフォンスが大封印へと顔を向けながら、セシリアに対しそう告げる。
「ま、そりゃそうでしょうね。扉といっても実際にはひとつの巨大な魔法ですし、剣で斬った所でその傷が残ったりはしないですからね」
肩をすくめてため息まじりにそんな風に言うラディウスに、アルフォンスは腕を組みながら首を傾げる。
「……ん? ひとつの巨大な魔法? 今までこれを見てきた者は、複数の魔法の集合体だと言っていたが……」
「ええ。大小様々な魔法陣があるせいでそういう風に見えますけど、あの大小様々な魔法全てがひとつの魔法の紋様――術式です」
ラディウスに代わりそう答えるのはルーナ。
横のラディウスも肯定するように頷く。
そんなふたりに対してアルフォンスは、
「そ、そうなのか……見ただけでそこまで理解するとかすげぇな……。いや、さすがというべきか……」
なんて事を言いながら大封印を見回した後、ふたりの方を見て問いの言葉を続ける。
「……ちなみに、解除出来そうな感じだったりするか?」
「さすがにそこまでは詳しく調べてみないと何とも言えませんね……」
ラディウスはアルフォンスにそう返すなり、
「マジックストラクチャー・オープン」
と、口にした。
「あ、それ、なんか久しぶりに聞いた気がする」
腕を組みながら、そんな風に言うセシリア。
「まあ、最近はここまでする必要のある術式に遭遇してなかったからな。……逆に、これを使おうとして弾かれた――発動が強制的にキャンセルさせられた術式もあったが……」
「魔軍事変の時のアレとか?」
「ああ、アレは未だに良く分からんな……」
「あれ以降、見かけていないしねぇ……。――っていうか、何この複雑な術式……。目に見えている魔法陣も凄まじい物があるけど、その非じゃないよね、これ……」
「まったくだ」
ラディウスはセシリアに対して頷いみせると、そのまま術式全体を見回す。
そして、
「……むぅ、こいつはさすがにひとりでは厳しいな……。――ルーナ、手伝ってくれ」 と言いながら、ルーナの方へと顔を向けた。
「ええ、任せといて!」
ルーナは力強くそう返事をしつつ思う。
――んふふ。こうやってラディに頼りにされると、なんだか感慨深いわねっ。
なんというか……ラディの指示に沿っておっかなびっくり術式を弄ったのが懐かしいわ。今ではもうガッツリ手伝えるし!
……まあもっとも……今回のコレは、なかなかに強敵な感じだけど……
と。
諸々あって別作の進行が遅れた為、こちらの進行も遅くなってしまいました……申し訳ありません。
さて、そんな所で次の更新なのですが……10月22日(金)を予定しています!
……今度は多分、予定日に更新出来る……はず……です。




