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第5話 大封印と氷晶。猛攻と強襲。

「っ! 輝ける金色の刃、廻り廻りて冥闇裂く十字とならん――レディアントクルセイド・改!」

 クレリテの声に反応するようにして、カチュアがウンゲウェダ・ドラウグに向かってそう言い放つ。

 

 刹那、カチュアの頭上に、突如として十字手裏剣を巨大化させたような、金色に輝く十字が幾つも出現。

 そして、一斉にそれらが回転しながら、弧を描くようにしてウンゲウェダ・ドラウグへと襲いかかった。

 その動きもまた、まさに手裏剣そのものといった感じだ。

 

「ギイィィィイイィィィイイィイィイイィィィィィッ!」

 ウンゲウェダ・ドラウグが金色の刃に切り刻まれ、苦悶の叫びを上げる。

 

「カチュアもラディウスさんのガジェットを持っていたですね……。さすがの威力なのです」

 と言いつつ、いつの間にかクロスボウを構えたメルメメルアが、頭上――ウンゲウェダ・ドラウグめがけ、魔法のボルトを連射し始めた。

 

 そして、それに続く形で甲板に居る者たちが、同じように遠隔攻撃や魔法攻撃を放つ。

 復活したばかりで無防備に近かったウンゲウェダ・ドラウグは、猛攻の前に再びあっさりと消し飛んだ。

 

「………………」

 再復活を警戒し、皆、ウンゲウェダ・ドラウグの存在していた場所へ視線を向け続けるも、復活してくる様子はない。

 

「倒した……?」

 誰かがそんな事を口にする。

 

「こちらの戦力が優れているとはいえ、この程度で終わるはずは……」

 リゼリッタがそう呟くように口にした直後、メルメメルアは真横からゾクッとする視線を感じ取り視線を向け……そこにいた存在を認識し、警告を発する。

「……っ! 横なのです! 横から来るのですっ!」

 

 皆が弾かれたようにして一斉にそちらを見ると、そこには紫色に目を光らせたウンゲウェダ・ドラウグの姿があった。

 

「復活する位置が移動した!?」

「そんなバカな……!?」

 という声が上がるが、クレリテとリゼリッタは別の危機が迫っている事を察した。

「ま、まずいのだわっ! ソーサ――」

 

 クレリテが魔法を発動するよりも早くウンゲウェダ・ドラウグの目から紫色に輝く幾つもの光線が扇状に発射される。

 

「くっ!」

 同じくそれを察していたリゼリッタが、自身の持つストレージのガジェットから畳を思わせる程の大きな盾を取り出すと、クレリテたちよりも前へと飛び出し、それを構えた。


 直後――

 

「ぎゃああっ!」

「ぐうっ!」

「ひぎぃぃぃっ!」

 

 光線を食らったであろう者たちの苦痛の声が甲板に響くも、クレリテたちはリゼリッタの盾により無傷であった。

「さすがリゼなのだわっ!」

 そうクレリテがリゼリッタに声をかけるも、リゼリッタは

「ぐ……うぅ……」

 という声と共に盾を落とし、甲板に右手と右膝をついた。

 更に左手は脇腹を押さえている。

 

 転がった盾を見ると一部が砕けており、リゼリッタの脇腹からも血が流れていた。


「「「っ!?」」」

 

「す、すぐにレストアしますです!」

 カチュアがそう声を発しながら、急いでリゼリッタへと駆け寄っていく。

 それと同時にメルメメルアがクロスボウを乱射し、クレリテが伸縮自在の剣を振るう。

 頭上にいた時と違い、距離的にクレリテの剣ならば届く位置であった。

 

 ウンゲウェダ・ドラウグの放った光線を回避する事が出来た者たちの中で、長柄の武器や遠隔攻撃が可能な武器を持つ者たちが、一斉にそれに続くようにして攻撃を繰り出す。

 

「とっとと消えるのだわぁぁぁっ! ヴァーミリオンセイバァァァッ!」

 ズタボロになったウンゲウェダ・ドラウグめがけ、淡く薄い朱の光を纏った剣を叩き込むクレリテ。

 

 ウンゲウェダ・ドラウグは、斬撃を受けたその場所から発生した炎に包まれ、

「グガアアァァァアァァアァアァアァアァアアァアァアァアアァァァッ!」

 という一際大きな苦悶の叫びを発しながら、落下。

 

 ザバァァン! という轟音と共に、生み出された水飛沫――最早、大波だと言っても過言ではない量の水が、一気に甲板へと降り注いだ。

思ったよりも長くなりました……


そして次の更新ですが、今週は色々あって執筆時間が取れそうにない為、少し間が空いてしまい申し訳ないのですが、10月14日(木)を予定しています。

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