第17話 メルティーナ法国。大封印とレメトン氷晶。
どうにか復活しました……!
――レメトン氷晶の回収を先にするべきか、後にするべきか……
いや、そもそもどこに行けば手に入れられるのかが重要か。
そこまで思考した所で、ラディウスはアルフォンスの方へと顔を向け、
「ちなみに……なんですが、レメトン氷晶というのがどこで手に入るか、ご存知でしょうか?」
という質問を投げかけた。
「おう、そいつなら知ってるぜ。んー、そうだなぁ……採れる鉱山自体は幾つかあるんだが……その感じだと、近場で手に入る所の方が良いよな?」
「ええまあ、出来ればそうですね」
「ここから一番近くて、最も多くレメトン氷晶が採れる場所となると……やっぱ、ディグロム洞街だろうな」
「ディグロム……洞街、ですか?」
「ああ。ディンギア氷峰にある、『巨人の仮宿』なんつー妙な名がついてる巨大な空洞――洞窟内に作られた鉱山……いや、坑道の街だ。船を使えば半日ほどで辿り着けるぞ」
首を傾げるラディウスに、そんな説明をするアルフォンス。
「半日なら近いですねです」
カチュアがそう言いながらメルメメルアの方を見ると、メルメメルアはカチュアの言いたい事を理解し、言葉を紡ぐ。
「はいです。大して遠くないのです。こちら側の世界について知る事が出来てちょうど良いので、ラディウスさんの代わりに私たちで取って来るのです」
「いいのか? そうしてくれるなら助かるが……」
「任せるのです」
ラディウスの言葉に、胸を張って答えるメルメメルア。
「わかった。それなら、お願いするとしようか」
ラディウスはそんな風に告げつつ、アルフォンスの方を見て問う。
「誰かに案内をお願い出来ませんか?」
その直後、アルフォンスよりも先に、人差し指をピッと立ててそれに反応するクレリテ。
「それなら私が案内するのだわ。『巨人の仮宿』――ディグロム洞街には何度か行った事があるから任せるのだわ」
「あー……だったらリゼも連れていけ。表向きの役職を考えると、その方が向こうでの管理者への説明や許可取りが、さくっといけるだろうからな」
アルフォンスがそんな風に告げると、クレリテはそれに頷いてみせ、
「言われてみると、たしかにその通りなのだわ。わかったのだわ! リゼには後で話しておくのだわ!」
と言った後、メルメメルアとカチュアを見て、問う。
「……という事で、出発は明日――明日の朝で良いのだわ?」
「もちろんなのです。いつでも構わないのです」
「ですです。私も同じくいつでも問題ありませんです」
そう答えるメルメメルアとカチュア。
「あ、それなら私も一緒に――」
「――セシリアはこっちに残ってくれ。大封印に聖剣が関係している可能性もゼロではないからな」
セシリアの発言に被せるように、そう制止するラディウス。
「な、なるほど……言われてみるとたしかにその可能性はゼロじゃないね」
「ま、実物を見てみないとなんとも言えないが、一応な」
ラディウスはセシリアに対しそんな風に答えつつ肩をすくめると、そのままアルフォンスの方へと向き直り、言葉を投げかける。
「そういうわけでして、明日早速、大封印を確認してみたいのですが……大丈夫でしょうか?」
アルフォンスはラディウスの問いに頷き、
「ああ、もちろん構わんぞ。朝の会合が終わり次第――大体、クレリテたちが出発し終えた頃になると思うが、俺が案内しよう」
と、腕を組みながら告げた。
急な激痛が走って病院のご厄介になりました……
どうにか執筆可能な状態になったので、今日から更新を再開します!
が、普段通り……とはいかない為、来週いっぱいまで2日置き更新で進行いたします。
そのため、次の更新は28日を想定しております。申し訳ございません……
 




