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第16話 メルティーナ法国。妖姫と皇女とレメトン氷晶。

「――なるほどな……あの宮殿には、そんなとんでもねぇ存在が囚われてんのか」

「計画を変更して、その妖姫を救出する方が良さそうな気がするのだわ」

「ああそうだな、俺もそう思う。となると……だ。まずはグロース・インヒビションなる鎖を生み出す技術と、それを作った宮廷魔工士について調べる――探る必要がある、か。……クレリテ、任せたぞ」

「むぅ……面倒なのだわ。でも、その辺の情報が全くない以上、宮殿を探ってみるしかないのもたしかなのだわ……」

 顔を見合わせてそんな話をするアルフォンスとクレリテを見ながら、

「あ、これを渡しておいた方が良いですかね……?」

 と言って、リリティナの魂が宿るガジェットをストレージから取り出し、テーブルの上に置くラディウス。

 

「これがさっき言っていた、皇女リリティナの魂が宿るっつーガジェットか」

「本当は、俺自身でどうにかしたかったんですが……色々あって帝都から離れてしまっている以上、ふたりに託すのが妥当かと思いまして」

「ああ、たしかにそうだな。――わかった。こいつに関しても、俺たちでどうにかしよう」

「すいません、よろしくお願いします」

 アルフォンスにそう言って頭を下げるラディウス。

 そして、それに続くようにメルメメルアたちも頭を下げる。

 

「任せるのだわ! 必ずなんとかするのだわ! ……アルが!」

「おいこら……そこは『私が』って言う所だろ、普通。そこでなんで俺に回すんだよ」

「私は、どこかに忍び込んで情報収集したり、暗殺したりするのは得意なのだわ。でも、救出の類は苦手なのだわ!」

 胸を張ってそんな事を言い放つクレリテに対し、アルフォンスは、

「ああそうかい……。物騒な姫さんに育ったもんだぜ、まったく……」

 なんて言って一度言葉を切り、やれやれと首を横に振ってみせる。

 そして、腕を組み、

「――まあいい、妖姫や皇女の件は、こちらに任せておけ。そちらは聖木の館――例の娘の件に注力してくれ。出来れば、つーか……可能なら、あそこで行われている研究について詳細な情報を得られると助かるがな」

 と、続きの言葉を紡ぎながら、クレリテからラディウスへと顔を向け直すアルフォンス。

 

「それに関しては、なんとも言い難い所ですが……まあ、個人的にも得ておきたい情報ではあるので、可能な限りなんとかしてみようと思います」

 ラディウスがアルフォンスに対してそんな風に返した所で、セシリアがラディウスに言葉を投げかける。

「でも、それをする前に例のガジェットを完成させないと駄目だよね?」


「ああ、その通りだな」

 セシリアに頷きながら短くそう答えるラディウス。

 そこへメルメメルアが問いかける。

「だとすると……とりあえずの目的は、このシルスレット――いえ、メルティーナ法国にあるはずの、レメトン氷晶の確保……です?」


「そうだな。ただ……俺は別の用事――ここを訪れた本来の目的が別にあってな。どうしたもんかと思っている所だ」

 ラディウスはそう答えながら、どうするのが一番良いのか……と、あれこれと思考を巡らせるのだった。

当然、これも確保しないと駄目ですよね。

といった所でまた次回! 次の更新は明後日、月曜日の予定です!

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