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第15話 メルティーナ法国。帝都と妖姫。

「――やはり、クレリティリカ王女だったですか。まあ、共にいるのが、ゼグナム解放戦線のリーダーだとは思ってもいなかったですが……」

 ラディウスの説明を聞き終えたメルメメルアは、そんな事を呟くように言いながら、クレリテとアルフォンスを交互に見る。

 

「でも、これで色々と動きやすくなったよね」

「そうだな」

 セシリアの言葉に頷くラディウス。

 そのラディウスに、

「ゼグナム解放戦線の方とは、その『リンク』はしないのです?」

 と、問いかけるメルメメルア。

 

「あー、それなんだがな……今の状態だとリンク出来ねえぇんだ。つーのも、それぞれが両方の世界で間近に接近すれば、リンク出来るんだが……ほれ、こっち側はともかく、向こう側が離れちまってるだろ?」

「あ、なるほど。たしかにその通りなのです。私たちは、聖木の館に乗り込もうとしている所……いえ、どちらかというと、聖木の館の連中を迎撃している所なのです」

 アルフォンスの説明に納得するメルメメルア。


 ――なるほど、そういうわけか。

 地味に面倒な仕組みになっているが、そうしないと片方がワープしてしまう事になるし、まあ妥当な所か。


 ラディウスもまたアルフォンスの説明に納得していると、そのアルフォンスが、

「俺たちの方は、今、帝都にいる。ちょっとばかし宮廷魔工士から技術を盗む計画があってな」

 と、自分たちの居場所を伝えてきた。

 

「なるほどです。……あ、それでしたら、すいませんが私の家――『アパルトメント・ゲンゲツ』の201号室へ行って、『加工素材全集』という本を回収してきて欲しいのです。もし、他にも何か役に立ちそうな本があったら、持ち出して貰って構わないのです」

 そう言いながら、カードキーを取り出してテーブルの上に置くメルメメルア。

 

「ああそうか、そういう方法があったか。たしかにその『加工素材全集』は俺も見たいな」

 ラディウスがそう言うと、クレリテはカードキーを手に取り、ラディウスとメルメメルアを交互に見ながら了承の言葉を返す。

「わかったのだわ。アパルトメント・ゲンゲツなら知ってるのだわ。後で回収してくるのだわ」


「あ、そうだ!」

 ラディウスは妖姫の事をふと思い出し、アルフォンスの方を見る。

 そして、

「ついで……というのもなんですが、その計画とやらの中で、グロース・インヒビションという鎖を生み出す術式――あるいはガジェットかなにかを、盗み出せたりはしないでしょうか?」

 と、問いかけた。

 

「グロース・インヒビション? クレリテ、知ってっか?」

 アルフォンスはラディウスの問いに首を傾げると、クレリテの方へと言葉を投げかける。

 

 クレリテはそれに対し、「私も知らないのだわ」と返しつつ、ラディウスの方へと顔を向ける。

 アルフォンスもまた、クレリテに続く形でラディウスへと顔を向けた。

 

「たしか……『妖姫』というのを拘束する鎖だっけ? 私も良くその辺りの経緯を知らないから、丁度いい機会だし、ちょっと詳しい説明をしてくれないかな?」

 というセシリアの言葉に、ラディウスはたしかにそうだなと思い、頷いてみせる。

 そして、そこにいる皆に向かって、妖姫や鎖についての詳しい説明を始めた。

長らく放置状態になっていた妖姫の件について、ようやく動き始めました……

といった所でまた次回! 更新は明後日、土曜日の予定です!

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