表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

253/636

第14話 メルティーナ法国。新たなるリンク。

「え? い、いいのですか?」

「ああ。そもそも、これは元々ラディウスに渡す予定だったものだしな」

 驚きながら問いかけるラディウスに、頷いてそう返すアルフォンス。


「本当はこれをラディに渡して、ゼグナム解放戦線を手伝って欲しかったのだわ。でも、既に所持している上に、既にセシリアやカチュアと『リンク』されていて、私たちのとは『リンク』出来ない状態になってしまってるのだわ」

 そんな風に説明してくるクレリテ。

 

「な、なるほど……」

 ラディウスはそう返しつつ、その辺りの詳しい説明が聞きたい所だと考えていると、

「ラディウスさん! でしたら、それでメルお姉ちゃんとリンクしましょうです!」

 と、カチュアが握りこぶしを作り、手を振りながらそう言った。


「ん? ……ああ、そうか。たしかに向こう側の世界でリンク状態じゃないのは、メルだけだな……。ルーナをリンクさせようかと思ったが……色々考えると、今回はメルの方が良さそうだ」

 ラディウスはそう呟くように口にした所で一度言葉を切り、ガジェットの入った袋をカチュアの方に移動させつつ、カチュアに言葉を投げかける。

「――わかった。カチュア、それをメルに渡してきてくれないか? たしか間近にいるんだよな?」


「いますです! 早速渡してきますです!」

 カチュアはそうラディウスに答えるなり、ガジェットを手に取り、向こう側を思い浮かべた。

 

 すると、当然の如く目に映る物が一瞬にして切り替わり、メルメメルアの姿がカチュアの目の前に現れる。

「――メルお姉ちゃん! このガジェットを手に取ってくださいです!」


「え? 唐突にどうしたので……って、向こう側で何かあったですね?」

「ですです!」

「……よくわからないですが、これを使えばいいです?」

 唐突なカチュアの言葉ではあったが、これまでのやり取りから、差し出してきたそのガジェットが重要な物である事を察したメルメメルアは、そう言いながらガジェットに手を伸ばす。

 

 と、次の瞬間、メルメメルアの視界がもの凄い勢いで変化する。

「っ!?」

 しかし、それは一瞬であり、直後には既に見慣れぬ部屋に立っていた。

 

「転移した……です? いえ……これは、まさか……」

 メルメメルアはそう呟きながら周囲を見回す。

 するとその部屋には、ラディウス、セシリア、カチュアの3人、そして見た事のない人物2人の姿があり、全員がメルメメルアの方を見ていた。

 

 ――違うです。良く見ると、見た事のない……ではないのです。あのふたりの内の片方は、前に古い資料で見た事がある人物……旧ゼグナム王国王女、クレリティリカ・メルティアーナ・ゾ=ゼグナムにそっくりなのです。

 あれがもし王女本人であるのなら、どうしてこんな所に……カチュアたちと一緒にいるです?


 メルメメルアが思考を巡らせていると、

「どうやら、リンクしたみてぇだな」

 と、アルフォンス。

 

「リンク……。なるほど……やはり、あのガジェットはカチュアたちが持っている……いえ、インストールされている時間を遡ったり、並行世界間を行き来出来たりするガジェットだったですか……」

「ああ、その通りだ。で、まあ……あれだ。とりあえず、これまで説明をさせてくれ――」

 納得顔のメルメメルアに対し、ラディウスはそう返し、メルメメルアにこれまでの事を説明するのだった。

というわけで、メルメメルアも行き来が可能になりました!

これで、向こう側(のラディウス周辺の人間)は、全員行き来が出来る様になったわけですね。


さて、そんな所で次回の更新予定ですが……明後日、木曜日の予定です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ