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第8話 メルティーナ法国。聖剣と闇の魔匠。

「クレリテにアルって呼ばれたの、なんだか久しぶりな気がするぞ。聖剣に選ばれなかった時に、食って掛かって来たあの日以来か?」

「……あ、あまりにもあまりな物言いをするせいで、うっかり口から出てしまったであります……っ!」

 ニヤニヤするアルフォンスに対し、顔を真っ赤にしながらそう返すクレリテ。

 

「あー、そういえばクレリテも、最初は聖剣に『選ばれる』って思っていたっけね」

「ああ、セキュリティに適合しなかったのだからどうしようもないんだがな」

 セシリアの言葉に続くようにして、そんな事を言うアルフォンス。

 

「むぅぅっ! 今はわかってるのだわっ! でも、それを理解するまでは、なんでセシリアが聖剣を!? って感じだったのだわ! だから、セシリアは私のライバルなのだわっ!」

「……あれ? 私、ライバルだったの?」

 クレリテの言葉に首を傾げるセシリア。

 それに対し、

「だったのだわっ! ……まあ、今は何とも思っていないのだわ。単に、私が無知だっただけなのだわ」

 なんて言葉を返すクレリテ。

 

「……私の知る限りでは、最初からライバルって感じの接し方ではなかったような気がするのだが……」

「そこは突っ込んではいけません、カルティナ殿」

 などと、カルティナとマクベインが小声で話す。

 

「ほう、何か心変わりするような事でもあったのか?」

「簡単なの……でありますっ! ラディからもっと技術を学んで、自分用の聖剣を作ればいいの……でありますっ!」

 アルフォンスの興味深げな問いに対し、そう答えるクレリテ。

 それを聞いていたレインズが、肩をすくめながら呟くように、

「聖剣を作り出したりしたら、色んな意味で前代未聞な事態になりそうだな」

 なんて事を言った。

 

「仰る通りですね。少なくとも教会内は大いに混乱しそうです。……クレリテ様、作るなら必ず先に作る事をお教えくださいますよう、お願いいたしますよ?」

 そんな風に言ってクレリテを見るマクベイン。


「わ、わかってるのだわ……」

 と答えるクレリテの言葉を聞いていたレインズが、

「カレンフォートで、エレナやオードさんが言っていたように、聖剣が軽い存在になってきた気がするな……ホント」

 なんて事を呟き、エレナとオードがそれに同意するように静かに頷いてみせる。

 

「ちなみに、英雄――ラディウスは、聖剣を作れるものなのか?」

「そうですね……ベースに出来そうな丁度いい剣さえあれば作れますね。あのセキュリティと聖剣の構造は把握しているので。ただ……そんな物を作ったら、今言った通り色々な方面が混乱しそうなので、作りませんが」

 アルフォンスの問いかけに対し、ラディウスはサラッとそう答える。

 

「わーお……さすが、ラディ」

「ちなみに、私も多分作れるわよ。というか同じ系統のセキュリティ機能を持った武器なら、試しに作っている最中よ。まあ、聖剣だとか言い出したりはしないけど。聖剣ほどの高性能な物は作れないし、形状も剣ではないし」

 セシリアの言葉に続くように、そんなとんでもない事を言ってくるルーナ。


「……それ、実は聖剣と同等の性能の物だとかそういうオチだったりしませんかです?」

「うーむ……最近のルーナの感覚を考えると、普通に有り得そうだから怖いな」

 カチュアとカルティナがそんな事を言う。


「ははっ、さすがは英雄ラディウスの弟子――闇の魔匠(ましょう)……とか言われているだけはあるな」

 などと言って笑うアルフォンス。


「や、闇の魔匠(ましょう)……。そ、それ、なんだか凄い恥ずかしい……です……」

 自身に妙な二つ名が付いている事に対し、何とも言えない恥ずかしさがこみ上げてきたルーナは、赤面しつつそんな事を呟いた。

ちなみにルーナが何をベースに作っているのかというのは……いずれ。

まあ、ルーナの家にある『何か』ですね。


といった所でまた次回! 次の更新は明後日、土曜日の予定です!

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