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第2話 地下水路逃走作戦。打開策。

「た、大変ですです!」

「ど、どうしたのです!? 上手く行かなかったです!?」

 慌てるカチュアに、更に慌てて問うメルメメルア。

 

「とりあえず落ち着こうか。こっちに居る限り向こうの時間は進まないから心配ない」

「そうそう、一旦深呼吸してから一体何があったのか話せばいいから」

 ラディウスとセシリアが静かにそう告げる。

 

 その言葉を聞いたカチュアが、深呼吸をして落ち着きを取り戻す。

 そして、

「え、えと……地図の写しはありますです?」

 と、問いかけた。


「あ、うん。あるよ」

 セシリアはそう答え、地図の写しをストレージから取り出し、机の上に置く。

 

「ここの部分が別ルートも含めて崩落していましたです。しかも、ビブリオ・マギアスはどうやっているのかわかりませんですが、私たちの事を的確に追跡してきていて、戻ったら追いつかれそうな感じですです」

「的確に追跡……? ――カチュアちゃん、逃げる時に足音消してた?」

 カチュアの説明を聞いたセシリアがそう問いかける。

 

「えっと……消してはいませんです。というか、どうやって消せばいいのかわかりませんです」

「あー、うん、まあそうだよね……。――多分だけど、ビブリオ・マギアスはその『走る音』で追跡してきているんだと思う。特にああいう音の反響しやすい場所だと、『そういう訓練』をしていれば、どこに誰がいるのか把握するのは簡単だしね」

 そんな推測を述べるセシリアに、ラディウスはさすがは諜報員だな……と思いつつ、

「だとしたら、音を消す魔法が必要だな。それと……ここの所、水の上を進めばこっち側へショートカット出来そうだ」

 と、地図の一点を指差しながら言う。

 

「水の上を進むって……どうやって? 船なんてないよね?」

「レビテーションの魔法を使えばいい。実際、ヴィンスレイドの件であの遺跡に入る時に、俺はレビテーションを使ったからな」

「そんな事してたんだ……。もっと前にその魔法を使えるガジェットを持っていたら、あの時、スカートが水でグチャグチャにならずにすんだのに……」

 ラディウスの説明にそんな事を言ってため息をつくセシリア。

 その言葉にラディウスは、そういう問題なのだろうかと思ったが、話が逸れてしまいそうだったので、口にはしなかった。


「え? レビテーションです? レビテーションは、地面からほんの少し浮くだけの魔法なのです。水路ほどの水深があったら効果が発揮されない気がするのです」

「――メメちゃん、ラディの魔法が普通の魔法なわけないじゃない」

「遂にフルネームで呼ぶのを止めたですか……まあ、その方がまだいいのです。――っと、それはともかく……たしかにセシリアさんの言う通りなのです。ラディウスさんの魔法でしたら問題ないのです」

 セシリアの言葉を聞き、そう呟くように言って納得してしまうメルメメルア。


 そのメルメメルアの様子に……

 ――あのメルお姉ちゃんがあっさりと納得するだなんて、一体ラディウスさんは、どんな魔法をメルお姉ちゃんに見せたんでしょう……です……

 なんて事を思うカチュアだった。

レビテーション、何気にかなり久しぶりの登場となった気がします。

さて、そんな所でまた次回! 更新は明後日、金曜日を予定しています!


……3作目となる、『ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~』も順次更新中です! こちらもどうぞよろしくお願いします!


追伸

話のタイトル名の『作戦』が『作成』となっていたので修正しました。

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