表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

213/636

第3話 時を超えた者。カルティナの謎。

「ふむふむ、要するに……オードという商人と、カチュアという子を、ビブリオ・マギアスの手から守れば良いという事なのだわ?」

 ラディウスの説明を聞いたクレリテがそんな問いの言葉を口にする。

 

「大雑把に言えばそうだな」

 と、肯定して頷くラディウス。

 

「一度、未来を――この先の出来事を経験していて、今のこの時間に戻って来ているのなら、ビブリオ・マギアスの裏をかくのは、簡単な気がするのだわ」

「大半の連中はそうだけど、多分、魔軍影将オルディマとかいうのと、その配下は注意した方が良いと思う。もしかしたら、あっちも過去に――要するに今の時間に戻ってきている可能性もあるし。……っていうか、クレリテ、時を遡る魔法の話を聞いて良く理解出来たね」

 クレリテに対してセシリアがそんな風に言うと、クレリテは胸を張って、

「セシリアはアホなのだわ? セシリアたちが少し先の未来から魔法の力で舞い戻って来た事だけ分かっていれば、それ以外は分からなくても困らないのだわ!」

 なんて事を言って返した。

 

「……ああ、うん、たしかにそうだね……」

 呆れ気味に言うセシリアを見ながらラディウスとルーナは、なんだかセシリアの方が賢く見えるから不思議だ……などと思う。

 

「……ねぇ、ラディ? ルーナ? 今なにか失礼な事考えなかった?」

「い、いや、セシリアが賢く見えると思っただけだぞ?」

「そ、そうそう」

「あ、そうなんだ。そんなに褒め……って、それ褒めてないよね!?」

「……そんな事ないぞ?」

「……そんな事ないわよ?」

 そう答えながら、目を逸らすラディウスとルーナ。

 

「どうしてそこで、揃って目を逸らすのかな……?」

「ま、まあ、そこは気にするな。――そ、それよりカレンフォート市に入ってからだが……オードさんとカチュアに合流した後が厄介だ。オルディマを放置するわけにはいかないからな」

 そうラディウスが口にすると、ルーナがそれに続くようにして、

「え、ええ、たしかにそうね。……というより、カチュアを執拗に付け狙っている事を考えると、今まで居場所がバレなかったのが奇跡に近い気がするけど、どうしてなのかしら?」

 と、言った。

 

「今まで王国領内でのビブリオ・マギアスの動きは静かだった事を考えると、大っぴらに動けない理由があるのだろう。――今回はたまたま、奴らが何かを行っている『領域』に踏み込んでしまったために、動く事が出来た。……と、そう考えられる」

 そうカルティナが思考を巡らせながら言う。

 

「……なんか、カルティナも頭が良くなった気がするわね。記憶を取り戻したから?」

「……元々頭が悪いつもりはないのだが……。だがまあ……頭はともかく、以前のようにすっ転んだりしなくなったのはたしかだな」

 というルーナとカルティナの会話を聞きながらラディウスは思う。

 

 ――そこに関しては、記憶と無関係の素の部分だと思っていたが……もしかして、違うのか?

 だが、そうすると……時を遡る前のあれが良くわからない事になるな……

 なんなんだ? この妙なズレは……

 

 と。

カルティナには結構な謎があるんですよね……まだ。

といった所でまた次回! 更新は明後日、土曜日を予定しています!


昨日の夜に、第3作目『ファンタジー世界の大魔道士、地球へ転移す ~異世界生まれの高校生?~』を開始しましたので、こちらもよろしくお願いいたします!

(こちらは各章のラストまで毎日更新予定で、章のラストまで行ったらしばらく間が空く形になると思います)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ