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第9話 第3の転移者。影に潜る力。

「古い方の地下水路と新しい方の地下水路……。もしかして……これを上手く使えば、仮面の奴ら――ビブリオ・マギアスを撒けるんじゃ……?」

 そうセシリアが言うと、ラディウスは腕を組んで考え込みながら、

「うーん……。たしかに地下水路に入った所で、閃光魔法とかで目くらましをして、浮遊魔法で音を消しつつ水路の上を進めば、撒ける可能性はあるな。で、上手く冒険者ギルドまで行けばどうにかなる……か? いや、あの3人がいるから危険か……。というか、あいつらどこから現れたんだ?」

 と、言ってカチュアの方を見た。

 

「あいつらというのは魔軍影将の事ですかです?」

「ああ。そもそもの話として、どうやってあいつらは冒険者ギルドの奥に……?」

 そう問いかけながら、ラディウスは何らかの方法で冒険者ギルドに潜んでいたのだろうかと考えた。

 しかし、それに対するカチュアの返答は、

「それなのですが……どうやら『私の影』に潜んでいたみたいなんですです」

 などという想定外のものだった。

 

「カチュアの影の……中? たしかに奴――オルディマの配下は『影』から現れた。……ならば、オルディマ自身もカチュアの影に潜る事が出来ても別におかしな事ではない……か?」

「まあたしかにそうだけど……。どうやって影に潜っているんだろうね?」

 というセシリアの言葉にラディウスは、かつて地球で影に潜る術とか異能みたいなのを使える主人公の物語を見た事があったな……なんて事をふと思い出した。


「うーん……。おそらく、そういう性能を持つ魔法を使っているんじゃないかとは思うが、俺はそんな魔法は知らないから絶対とは言えないんだよなぁ……。もしかしたら異能とかそういう物の類かもしれないし……。なんにせよ、あれを解析出来る機会があればいいんだが……」

「なかなかそんな機会ない気がするよ。うん」

 セシリアはラディウスにそう返すと、カチュアの方を向いて言葉を続ける。

「――カチュアちゃん、あいつが影に潜り込んでいたのが、いつからだか分かる?」


「多分ではありますが……です、捕まった後だと思いますです。というのも、あのエリーシアという私の首を跳ね飛ばした人を、神殿で見かけたからですです」

「なるほどなのです。つまり、捕まらなければどうという事はないという話なのです。先程おふたりが話していた地下水路経由で、冒険者ギルドへ逃げ込むのが最良ではないかと私も思うのです」

 カチュアの話を聞いたメルメメルアが、ラディウスとセシリアを見ながらそんな風に言い、地図を指さす。

 

「そうだな……。俺たちも、向こうへ戻ったら急いで冒険者ギルドへ向かうが、さすがに一瞬で移動出来るような距離じゃないからな。逃走用のルートをしっかり決めて、確実に冒険者ギルドまで辿り着けるようにしておくとしよう」

 と言って地図に視線を落とすラディウス。

 

「そうだね。まあ……私たちは向こうではグランベイルにいる以上、最終的にはカチュアちゃん頼りになっちゃうんだけどね……」

「そこはお任せくださいです! 私、こういう所を逃げるのは得意ですです! レインズさんと協力して、必ず冒険者ギルドまで逃げきってみせますです!」

 セシリアの言葉に対し、カチュアが自信満々にそう答える。


「ああそうだ。レインズも時を遡って来ていれば理解しているはずだが、ジェイクスという名の冒険者が近くにいた時は注意してくれ。冒険者のフリをしているがオルディマの配下だ」

「はい、わかりましたです! 注意しますです!」

 そんな風にカチュアが答えた所で、

「それでは、ルートを決めるとするです。――今いる場所は、さっきの話でおおよそ分かったですが、冒険者ギルドの位置が分からないのです。一番近い出入口はどこなのです?」

 と、問いかけるメルメメルア。


「冒険者ギルドの位置を考えると……この辺りだな」

「なるほどです。とすると……ここからこう移動してこっちへ行く感じが良さそうなのです」

「ここは、古い水路の方が良いかも。新しい水路は直線が長くて見つかりやすい気がするよ」

「えーっと、ここを曲がって次がこうで――」

 

 そんな感じで4人はルートについて話し合うのだった。

というわけで、一旦ここで本節は終了です!

次の話の途中から向こう側に戻ります!(多分)


さて、そんなこんなで次回の更新ですが……明後日、日曜日の予定です!

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