第3話 冒険者ギルドにて。魔軍影将と時空歪曲領域。
色々あって27日に投稿する分の執筆時間が取れず、
予定通りに投稿する事が出来ませんでした……
そして、何気に200話目です。
意表を突いたはずの攻撃を回避され驚くラディウス。
それに対してジェイクスは、
「あぶねぇあぶねぇ……。いきなりの遠隔攻撃とは予想外だったぜぇ。普通こういう時は、何かしらの声を上げるのが先じゃねぇのかよぉ?」
と、ラディウスたちの方へと向き直りながらそんな事を口にして、大げさに肩をすくめてみせる。
「貴方たちは何者ですっ!」
「そうそう、そうだぜぇ。こんな感じだぜぇ! まあなんだぁ? 暗殺者とかはいきなり攻撃をしかけるけどなぁ! くかかかかかっ!」
聖女モードのセシリアの問いかけに対し、そんな風に返すジェイクスに続き、
「神剣の聖女……か。この場に現れるとは、まさにイレギュラーだと言わざるを得まい」
なんていう昏く底冷えのする声が響き、何故かジェイクスが静かに後方へと下がった。
ラディウスたちはジェイクスに注意しつつ、声のしたへと視線を向ける。
すると、そこにはいつの間にか男――魔軍影将オルディマがいた。
ジェイクスが下がったのは、オルディマの後方に控える為であった事を理解する。
オルディマは、ジェイクスと同じ漆黒の甲冑でありながら、悪鬼や妖魔の類を思わせる禍々しい装飾に、血管を光らせたかのような不気味な模様が特徴的な、そんな甲冑を鎧い、フルフェイスの兜を被っていた。
そのため、顔は見えない。
――今の今まで気配を感じなかった!? っていうより、存在ごと感じなかった気がする……
しかも、あのジェイクスとかいう二言三言の会話だけでクセが強いイカレたタイプである事が分かってしまうような人間が、自らの意思で後ろに控えるなんて行為をしている時点で、ヤバすぎる存在である事は間違いないけど……。一体、なんなの……こいつっ!
セシリアが自らの気配察知に引っかからなかった事に、心の中で驚愕しつつ、マリス・ディテクターを発動。ラディウスやルーナに続き、その名を理解する。
そして、心の中の驚愕を押し留め、静かに言葉を紡ぐ。
「なるほど……。魔軍影将オルディマ、ですか。どう考えても教会に仇なす存在ですね」
「ほう、我の正体を看破するか。さすがは神剣の巫女……と言うべきか? それとも……神剣の巫女の意思を奪う程の、強力な異形の力すらをも無効化してのけたという、そちらの英雄が生み出したガジェットの力、か?」
聖女モードのセシリアの言葉に、興味深げな声でそんな風に返し、セシリアとラディウスを交互に見るオルディマ。
――ヴィンスレイドがセシリアに対してした事、そしてそれをどうにかした事まで知っている……?
あの事は教会の関係者しか知らないはず……。教会の中に魔軍――いや、ビブリオ・マギアスの内通者がいる、という事か……?
ラディウスがそんな事を思案した直後、
「まあ……どちらでも良い事か。イレギュラーこそあれど、此度の作戦に影響はないと考えて良いだろうからな。そう……我が目的は、滞りなく完遂するのだ。……時空歪曲領域発動準備の完了を確認した。エリーシアよ、再刻の娘をつれてまいれ」
と、そんな言葉を発するオルディマ。
「承知」
そんな短い声が響いたかと思うと、ジェイクスと同じ甲冑を鎧った女性――エリーシアが、オルディマの影から、文字通り湧き出すかのようにしてその姿を見せる。
そして、その腕の中には囚われた状態のカチュアの姿もあった。
「カチュアッ!」
ラディウスの呼びかけに、
「急いで私を、その武器か魔法で殺してくださいですっ!」
なんて事を言ってくるカチュア。
「な、何を言って――」
「――時空歪曲領域発動」
ラディウスの言葉に対し、被さるようにして発せられたオルディマの言葉と共に、周囲の景色が一瞬グニャリと歪む。
「さあ……これで、貴様の『時を越える力』は発動出来ぬぞ。今度こそ終わりだ」
その言葉と共に、カチュアが絶望的な表情をする。
ラディウスは、オルディマの口にした『時を超える力』の意味が理解出来なかったものの、このままではマズいと考え、一度向こう側の世界へ移動してこの場を切り抜けるための準備をしようと考える。
しかし……
――っ!? 移動しないっ!?
どういうわけか、向こう側の世界への移動が行われなかった。
27日に更新出来ず、1回間が空いてしまいましてすいません……
なんとか更新のために時間を作ろうとしたのですが無理でした……
そして、いつの間にか200話目を迎えていました。
ここまでお読みくださいました事に感謝です!
そして、これからもよろしくお願します!
さて、話の方は今回も急展開な感じですが、次回もこんな感じです。
その次回の更新はというと……今度こそ、明後日に更新出来るはずです!
なので、月曜日を予定しています!