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第2話 冒険者ギルドにて。潜む者。

 夜までギルドで待機する事を決めた所で、

「ところで……私たちは一応冒険者だから、このままここで待つのでも問題はないけれど、オードさんとカチュアちゃんはどうしようかしらね……?」

「ふむ……たしかに、連中のまとめ役――親玉が地下神殿遺跡に居なかった事を考えると、何か仕掛けてくる可能性はゼロではない……か。念の為、一段落つくまではどこか安全な所に居て貰った方が良いような気がするな」

 と、ルーナとカルティナがそんな風に言う。

 

「んー、それならこのギルドの奥とかがお誂え向きじゃねぇか? どうだ? エレナ」

 レインズがそう言いながらエレナへと顔を向ける。

「そうですね……たしかに私もそれが最良だと思います。――このギルドの奥……職員用スペースは機密情報を取り扱っている関係上、そう簡単に忍び込む事が出来ないようになっていますからね。ある意味、もっとも安全と言えるでしょう」

 エレナはそう答えると、オードとカチュアに「――という事で、いかがでしょうか? 今でしたら、ギルドマスタールームをお貸し出来ますが」と、問いかけた。


「ギルドマスタールームですか!? そ、そこまでしていただけるとは……っ! 凄くありがたい申し出です! それに……やはり、まだどうにも不安が拭えませんし……」

「はいです。まだ少し怖さがありますです。何かがこう……暗がりに潜んでいるかのような……あるいは、どこかから覗かれているかのような……そんな感じがしてなりませんです。だから、凄く嬉しいですです! ギルドマスタールームにも、凄く興味がありますしっ! ですっ!」

 オードとカチュアのそんな言葉を聞きながらラディウスは思う。


 ――暗がりに潜んでいる、あるいは覗かれている……か。

 たしかに奴らは得体のしれない所がある。

 地下神殿遺跡でも、奴らは最後の一人になるまで逃げる事なく俺たちに向かってきたからな。

 そう……。まるで、操られていた魔物の軍勢のように……


「良かったです。では、奥に――ギルドマスタールームへご案内しますね」

 エレナがそう言って、オードとカチュアを連れてギルドの奥へと消えていく。

 

「……さて、後は待つしかねぇな」

「そうだな。今日中になんとか出来るかどうかが勝負だろうな」

 レインズの言葉にそう答えるラディウス。


「……あ、しまった。シェルさんに日帰りではなくなった事を連絡していなかった。……すまない、超高速伝書でグランベイルのギルドから伝えては貰えないだろうか?」

 と、カルティナが受付嬢に問う。


「すいません……先程、ギルドマスターが各地のギルドへ伝達を行った事で、超高速伝書のガジェットが魔力切れになってしまっていまして……。1時間ほどお待ちいただければ、1回くらいなら伝達可能になりますが……」

「1時間か……。わかった。それでは1時間後にお願いしたい」

「承知しました。それでは伝えたいメッセージを――」」

 カルティナに対して受付嬢がメッセージを記入する用紙を取り出した直後、ガシャンッ! という音がギルドの奥から響く。

 

「な、何です!?」

 驚いて奥へと続くドアを見る受付嬢と、

「エレナッ!?」

 と、半ば弾かれるようにして奥へと走るレインズ。

 それは、エレナたちに何かあったのではないかと考えたからだ。

 

 同時にラディウスとルーナがマリス・ディテクターを発動。

 すると、『魔軍影将 オルディマ』『影騎士 エリーシア』『影騎士 ジェイクス』という名称が頭に浮かび上がり、

「「ま、魔軍影将!?」」

 と、ふたりが同時に声を上げる。


 といっても、単純にわけのわからない存在が唐突に出現した事に驚いたルーナに対し、ラディウスの方は『魔軍影将』と呼ばれる存在の出現の早さに驚いた感じだったりするが。

 

「ともかく追うぞ!」

 というカルティナの言葉に、皆がレインズを追って走る。

 

 そして辿り着いたその先には、血塗れで床に倒れ伏しているオードとエレナ、そしてレインズに刃を突き立てる漆黒の甲冑を鎧った男の姿があった。

 

「ジェイ……クスッ! お前が……何……故……っ」

 そんな声と共にレインズが崩れ落ちる。

 

「冒険者は単なる隠れ蓑だったからに決まってんだろぉ? ああ、もう聞こえてねぇかぁ」

 なんて事を笑いながら言って返す男――ジェイクス。

 

「くっ!」

 ラディウスは口から出そうになる声を押し留めつつ、ジェイクスに向かって銃を構え、魔力を極限まで圧縮して生み出された紅蓮の魔弾――ヴァーミリオンバレットを即座に発射。

 

 ジェイクスの意表を突く形となったその魔弾は、凄まじい速さで襲いかかり、その甲冑を穿ち貫く。

 

 ……はずだった。

 

 だが、その一撃は肩当ての部分を破砕しただけで終わってしまう。

 それは、ギリギリの所でジェイクスが身を捻って回避した為だ。

 

 ――なっ!? 今の一撃を回避した!?


 その事実に、ラディウスは驚きを禁じ得なかった――

思ったより長くなってしまいました……

今回は急展開感を出したかったので、無理矢理詰め込みんだせいですね……


さて、そんなこんなで次回の更新ですが……明後日、木曜日の予定です!


追記

などと書いていたのですが、木曜日に更新するための分を執筆する時間が取れず……

次の更新は、土曜日となります…… orz

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