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第6話 地下に秘されし物。地上へ戻りし者。

「撃っておいてなんだが……どれもこれも本当に強力だな。――エナーベイトアンジュレーション!」

「うむ。よもやこれほどの威力とは……。――カルネージングモウディバイド!」

 レインズとカルティナはそんな感想を口にしつつ、更に魔法を撃つ。

 

 ビブリオ・マギアスの構成員たちは、押し寄せる赤紫色の波に飲み込まれ、瞬く間に生命力を奪い取られるか、三日月状の斧刃の振り子を思わせる、青い輝きを放つ幾つもの魔法の刃よって薙ぎ払われるかして、次々と床に転がり、そのまま動かなくなっていく。

 

「これで終わりっ!」

 セシリアが神剣を構えて広間へ飛び出すと同時に、それを床へ叩きつけるかの如く上段から勢いよく振るう。

 

 そして床に神剣が触れた瞬間、

「バニシング……ッ! クインテットタロンッ!」

 という掛け声と共に、白く輝く5条の光の衝撃波が放たれ、わずかに残っていたビブリオ・マギアスの構成員全てを飲み込み、そして引き裂いた。

 

 ――さしずめ、魔法剣技……といった所か。

 あんな事も出来るんだな、あの神剣。銃にも変形機構をつければ……

 

 ――魔法と剣を組み合わせて放つ? 前に作った携帯型の照明ガジェットに光の刃を組み込んだような感じで……更に発展させれば……槍から撃てる物が……

 

 ラディウスとルーナはそんな感じで、神剣を見て頭に浮かんできたそれぞれの武器について、あれこれと構想を練りながらも、きっちりとマリス・ディテクターで周囲を探る。


「反応なし、っと」

「片付いたみたいね」

「ほ、本当に一掃してしまいましたです」

 ラディウスとルーナの言葉を聞き、驚くカチュア。

 

「だが……倒したのがどれも構成員――下っ端しかいないのが気になるな……」

「そうね……連中を纏めている親玉はどこへ行ったのかしら?」

 ふたりはそう言いながら、再度マリス・ディテクターを使ってみるが、やはり反応はない。

 

 そんなふたりの話を聞き、

「どこか別の所に行っていて、留守にしている……といった所だろうか?」

「可能性はなくもないけど……下っ端をまとめる者が誰もいないってのも変だよね?」

 と、カルティナとセシリアが言って考え込む。

 

「……やや不気味ではあるが、まあ……とりあえず、脱出の妨げになる存在はいなくなったわけだし、とっととこの場からずらかるとしようぜ」

「ああそうだな。あれこれ考えるよりも先に、ここから離脱するとしよう」

 レインズの発言に対し、ラディウスが同意の言葉を口にすると、他の皆も同意するように首を縦に振り、速やかに移動を開始した。

 

                    ◆


「――まさかそんな事になっているとは思いませんでした……。かなりマズい状況ですね。各地のギルドに連絡しないと……!」

 ラディウスたちの報告を聞いた冒険者ギルドの受付嬢が、ギルドマスターに報告するべく席を立つ。

 

「……ん? ギルドマスターには報告しなくて良いのか?」

 と、もっともな疑問を口にするラディウス。

 

「あ、いや……俺の相方――恋人が、ギルドマスターなんだ」

「「「「え?」」」」

 レインズの言葉にラディウスたちが目を丸くする。


 そして、レインズに続くようにして、隣りのカウンターの受付嬢までもが、

「そうそう、受付嬢が性に合ってるとかでギルドマスターになった今でも受付嬢をやっているのよねぇ、あの人」

 なんて事をラディウスたちに告げてくる。

 

 そして――

「「「「ええええええっ!?」」」」

 という、色々な意味で驚きを禁じ得ないラディウスたちの、そんな大きな声がギルド内に響き渡った。

前回、魔法名を出すと書いてしまったので出しました!(何)

上から順に『活力(生命力)を奪う波動』『虐殺の刈り取り』『追放する五重奏の鉤爪』といった感じです。

まあなんというか……どれもこれも『即死』させる気満々な魔法(or魔法剣技)ですね。


さて、それはそれとして、何事もなく地上に戻ってきたようですが……?

といった所で次回の更新ですが……明後日、日曜日の予定です!

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