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第8話 あの時の親子を探して。動きを見抜く聖女。

「――それで、こっちへ飛んで来たのは、商人親子の情報共有のため……だよね?」

 テオドールに案内されてやって来たモーテルの一室――ラディウス用の部屋を訪れたセシリアが、ラディウスに問いかける。

 

「ああ、その通りだ。実は仮面をつけた連中が、あの親子を路地から監視していたっぽい情報を冒険者ギルドで得たんでな。それを伝えようと思ったんだ」

「仮面をつけた連中って……いかにもな感じがしすぎるんだけど……」

「そうだな。ちなみにスカウト能力の高い冒険者が追跡したんだが……外壁にある地下水路へ降りられる階段付近で足取りが消えたそうだ」

「……ふぅん? 考えられるのは、追跡される事を前提に偽装した……? あるいは……」

 ラディウスの説明にセシリアがそんな事を呟きながら考え始める。

 

 そして、しばらくしてから、

「うん、大体可能性はふたつに絞れたかな。ちょっと警邏の人にその区域の情報を聞いて、それからその場所に行ってみれば、おそらくだけど連中の動きを確定させられると思う。向こうへ戻ったら、その地下水路の入口で合流しようか」

 と、告げた。

 

 ラディウスは、こういう所は諜報員らしいな……と思いつつ、了承の返事をする。

 その直後、目に映る光景がモーテルの一室から冒険者ギルドへと変化した。


 カルティナへと視線を向け、ラディウスが言葉を紡ぐ。

「――とりあえず、その地下水路の入口へ行ってみるか。ルーナとセシリアもそこに来るはずだからな」


「うん? 何らかの方法で向こうのふたりの連絡を取っているのか?」

 ラディウスが、セシリアと向こうの世界で話をしている事など知る由もないカルティナが、首を傾げてそう問いかけた。

 

「まあ、似たようなものだ。セシリアと俺の間でしか出来ないけどな」

「ふむ……よく分からぬが、遠く離れていても連絡が取れるとは便利だな」

「ああ、俺もそう思う。ってなわけで行くとしようか」

「おっと、待ってくれ。あの時の恩返しっつーわけじゃないが、俺も同行させて貰えないか? この街に関しては俺の方が詳しいし、なにより……この街で起きている不穏な事件を放っておくわけにはいかないんでな」

 ギルドから出ようとするラディウスたちを呼び止め、そんな風に言うレインズ。


 ラディウスは、地下水路への入口と仮面の連中の存在を知っているのはレインズだけである事と、特に断る理由もなかった事からそれを承諾。共に地下水路の入口へと向かう事にした。

 

                    ◆

 

「あ、ラディ来たね」

「本当に互いに話が出来ているのね……。どうやっているのか少し気になるわ」

 地下水路の入口前で待っていたセシリアとルーナが、そう言いながら出迎える。

 

「まあ……神剣のように特定の人間同士でしか使えない上に、普段は不可視状態になっているかなり特殊なガジェットを使っている……としか言えないな。隠しているとかではなく、アレの機能は俺もよくわかっていなくてな……」

 興味深げなルーナに対し、腕を組みながらそう返すラディウス。

 

「ラディにもわからない物があるなんて驚きだわ」

「いやいや、俺にもわからない物くらいあるからな?」

 ラディウスはルーナの言葉に対し、そんな風に言って肩をすくめると、セシリアの方へと向き直り、問いの言葉を紡ぐ。

「それで……。仮面の連中がどう動いたのかわかったのか?」


「うん、ばっちりだよ!」

 と、セシリアは自信満々といった様子でそう答えた――

ややポンコツ感のあるセシリアですが、一応スカウト(索敵/探索/調査)能力は高いです。

というわけで、しばらくこちら側の話が続きます。


さて、そんな所で次回の更新ですが……明後日、月曜日の予定です!

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