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第3話 あの時の親子を探して。マークスとの話。

「やあ、ルーナ。――そしてラディウスさん、ようこそいらっしゃいました。貴方の活躍ぶりは話に聞いていますよ」

 商館に訪れたラディウスとルーナを出迎えたマークスは、そんな挨拶の言葉を口にした所で、ふたりのうしろにもうひとりいる事に気づき、問う。

「えーっと……すいません、そちらの方は?」


「あ、私はセシリアといいます。今回、少し用事がありましておふたりに同行させていただきました」

「なるほど、セシリアさんというのですね……。……セシ……リア? え? あの……もしかして、神剣の聖女様……ですか?」

「はい。一応そのように呼ばれておりますね」

 セシリアは、聖女ですと言わんばかりの笑顔で、マークスの問いかけにそう返す。

 

「やはりそうでしたか! いやしかし、どうして聖女様が……? ……あ、いや、ラディウスさんが英雄である事を考えると不自然でもない……? いや、しかし――」

 唐突な状況に困惑――というか、混乱するマークス。

 

「あ、その……混乱させて申し訳ありません。えっと……今は『ただの冒険者』として扱っていただけますと、ありがたいのですが……」

 セリシアがそんな風に言うと、

「た、ただの冒険者……ですか?」

 と言いながら、ルーナとラディウスを交互に見るマークス。

 それに対してふたりは、何も言わずにただ頷いてみせた。

 

「……なるほど。理由についてはよくわかりませんが、そこは詮索しないでおきましょう。……承知いたしました。――ちなみに、『冒険者』のセシリアさんがここに訪れたのはどういう理由でしょう?」

 ある意味、さすがは商人だと言うべきなのだろうか? マークスは即座に頭を切り替え、そんな問いの言葉を投げかける。

 

「セシリアが……というか、私たち全員がマークスおじさんなら何か知っているんじゃないかと思ってやって来たのよ」

「つまり、ルーナたちは何らかの情報を求めて私の所へ来た……という事かい?」

「そうなのよ。というのも、実は――」

 首を傾げるマークスに対し、ルーナはオードとカチュアの話をする。


「……なるほど、それはたしかに不自然だね。――あいにく、朝市の出店者が今どこで何をしているのかというのは把握してはいないが、情報を得るのはそう難しい事じゃない。すぐに調べて何かわかったら、教えるよ」

 話を聞いたマークスは、ルーナに対してそんな風に言った後、

「あと……それで言うと、市長さんにも話をしておいた方が良いかもしれませんね。もし、何かの事件に巻き込まれていたりしたら、警邏の者から何らか情報が得られるかもしれません」

 と、ラディウスとセシリアを交互に見て、そう告げる。

 

「なるほど……たしかに仰る通りですね。この後、市長のもとに赴いてみようと思います」

「あの市長、話が長いし、内容があれだしで、うんざりするのよねぇ……」

 ポーカーフェイスで答えるセシリアと、露骨に嫌な顔をするルーナ。

 

 ――まあ、セシリアも一瞬「うえっ」て口にしてたけどな。

 俺以外には聞こえていなかったようだけど。

 しかし、あの市長かぁ……。俺もちょっと会うのは面倒だなぁ……

 

 ラディウスは先日の事を思い出し、心の中で盛大にため息をついたのだった。

ここ最近、1話の文字数が多めだった事もあり、なんだか今回の話が若干短く感じます……

そんなに短いわけでもないのですが……


まあ、それはそれとして次の更新ですが……明後日、金曜日の予定です!

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