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第4話 聖木の館のエリミネーター。迎撃する3人。

 ――マリス・ディテクターに反応あり、か。

 

 ラディウスは後方から迫る『敵意』を感知し、そう心の中で呟く。

 

「聖木の館・エリミネーター……か。なるほど、実にわかりやすい」

 ラディウスはそう言ってストレージからガントレットを取り出して装着。

 ついでに、セシリアの持つ物よりも一回り大きくゴツい見た目の、魔軍との戦いで使用した銃も取り出して構えた。

 

「まったくだね」

 聖女モードではない口調で言いながら、剣と銃のそれぞれの手に持つセシリア。

 

「全部で8人なのです!」

「余裕だな」

「余裕だね」

 人数を告げてきたメルメメルアに、不敵に笑って返すラディウスとセシリア。

 

 そうこうしている内に、様々な得物を手に持った黒服――エリミネーターたちが視界に入る。

 と、同時に複数の魔法弾がエリミネーターたちから放たれた。

 

「視界に入ると同時に攻撃、か。なかなか訓練されているな」

 そうラディウスが言うと、セシリアは、

「みたいだねー。まあ牽制にもならないけど……エンハンス・オブ・インタラプト!」

 なんて事を言って返すと、エリミネーターたちの方へと踏み出した。

 

 そして、迫りくる魔法弾を片っ端から斬り裂いていく。

 

 エンハンス・オブ・インタラプト――それは、魔法の術式に対して直接干渉する事が出来るようになる、という効果を対象に付与する魔法……要するに、マジックストラクチャーと同系統の魔法だ。

 つまり……剣に付与すれば、このように剣で魔法を斬る事が出来るようになる。


「ええっ!?」

 驚きの声を上げるメルメメルア。

 否、驚いたのはメルメメルアだけではなく、魔法弾を放ったエリミネーターたちもだった。

 まあ……魔法弾を斬り裂く、などという非常識な事をやっているのだから仕方がないと言えなくもないが。


「だから余裕だって言ったじゃない」

「そうだな。ただ、詰めが甘い」

 ドヤ顔で言うセシリアにそう返しながら、その頭上に迫っていた漆黒の魔法槍を、アストラルアンカーで抑え込み、そのまま粉砕するラディウス。

 

「あ、それ気づいてたけんだど、真上で面倒だったから、ラディに任せようかと思ったんだ」

「まさかの意図的!? 俺が気づいていなかったらどうする気だった……いや、気づいていると分かっていたから……か。はぁ、やれやれだ……」

 ラディウスは、セシリアの言葉に呆れ気味に言って返すと、

「とりあえず相手の攻撃は、大した事なさそうだ。さっさと片付けるとしよう」

 そう言葉を続け、エリミネーターの方へと銃による遠隔攻撃を開始。

 

「りょーかい! ここは私が突っ込むから援護よろしく! たまにはちゃんと戦えるっていうのを見せないとねっ!」

 セシリアはそんな風に元気よく答えつつ、強化魔法で脚力を強化。エリミネーターへと高速で接近していく。

 

「それじゃあ、お手並み拝見っと」

 と呟きながら、セシリアを援護するように銃で攻撃を仕掛けるラディウス。

 そのラディウスの攻撃を、防御役と思しきガタイのよいエリミネーターが、魔法障壁を展開して防ごうとしてくる。

 ……が、威力があまりにもありすぎたのか、ほんの一瞬ですら防ぐ事叶わず、あっさりと障壁を貫通。自身もまた風穴を開けられ、そのまま噴き出す血と共に、地に倒れ伏した。


 斜め後ろにいた女性エリミネーターが、それを見て慌てた様子を見せつつも回避に専念し、ラディウスの攻撃をどうにか回避する。

 しかし、それによって急速接近してきたセシリアへの注意が散漫になっており、眼前に迫る神剣の斬撃に対してなすすべもなく、そして悲鳴を上げる間もなく、あっさりと絶命する。

 

 形状の異なる槍を持った3人のエリミネーターが、セシリアを狙って同時に攻撃を仕掛けるも、ラディウスによってひとりが一瞬にして倒される。

 残るふたりの攻撃を回避しつつ、ひとりを斬り伏せたセシリアは、返す刀で残りのひとりに向かって踏み込みながら剣を突き刺し、そして斬り上げた。

 

 その間にも、ラディウスの放った魔法によってエリミネーターがひとり倒され、のこりはふたりとなっていた。

 

 あまりにも一方的すぎる展開に、残ったふたりのエリミネーターは逃走を図る。

 想定外の事態が起きた事を伝える為……という意図もあるのだろう。


 だが、それをさせては面倒なことになる。

 そう考えたラディウスが追撃のための魔法を放――とうとしたその刹那、逃げるふたりに向かって炎のマジックボルトと雷のマジックボルトが飛来。

 雷のマジックボルトは命中しなかったものの、炎のマジックボルトは片方のエリミネーターへと深々と突き刺さった。

 直後、一瞬にして凄まじい業火に包まれ、そして絶命するエリミネーター。


「私が剣による接近戦しか出来ないと思った? 残念! 射撃も出来るんだよねっ、これが!」

 セシリアがそんな煽りめいた言葉を口にしながら、左手に持った銃で最後のエリミネーターを打ち抜き、あっさりと、そして一方的なまでの圧勝で戦闘を終えたのだった。

エイプリルフールなのですが特にネタがなかったので普通の更新となりました。

……世界が2つある為に、1つの話に両方の世界のキャラを出しづらいんですよねぇ……


さて、そんな所で次回の更新ですが……明後日、土曜日の予定です!

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