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第12話 魔軍事変。隠れ潜む者と暴く者。

「ラディの言った通り、マリス・ディテクターの反応がない怪しい地点が、魔物どもの群れの中にあるわ!」

 と、ラディウスの方を見て告げるルーナ。

 

「そこに感知を隠蔽する魔法を使っている奴がいるって事だね」

「そういう事になるのだわ! ……って、セシリア、口調がいつものに元に戻っているのだわ」

「だって、あの口調疲れるし……。聖騎士の人たちは別の所にいるからいいかなって」

 クレリテの指摘にそんな風に返すセシリア。

 

「……聖騎士はいないけど、枢機卿猊下がいるのだわ」

「なに、別に言葉づかいなぞ何でも構わぬよ。私も既に普段の喋り方をさせて貰っているのでね。――というより、あの大仰な言い回しはどうにも好かぬ」

 再び指摘するクレリテに、今度はアルディアスの方がこれまでとは違う砕けた口調でそう言った。

 

「まあ、クレリテ様も似たようなものですしね」

「うぐっ!? そ、それは……たしかにその通りなのだわ……」

 クレリテはマクベインの言葉に胸を抑える仕草をしながら、肩を落としながらそんな言葉を返す。

 

 ラディウスはそんなやり取りを聞きながら、発見した地点までの最短距離を計測。

 

 ――これなら少し東寄りの位置から、全員で広域攻撃魔法を立て続けに使えば、一気に切り込んで辿り着けそうな感じではあるが……周囲から集まってこられると厄介だな。

 それと、可能ならば魔物を率いている奴を捕縛したい所だが……ま、こっちはさすがに難しいか。

 

 という思案の結果、

「――魔物を率いているのは人間って事だな。ならば、一直線にそこを目指して捕縛するか撃破するか……あるいは撤退させさえすれば、一気に瓦解させられる」

 と、敢えてそう告げる事にしたラディウス。

 それは、他の面々の見解を聞きたかったからだ。

 

「となると……魔物どもの陣に穴を開け、敵将まで一直線に攻め上がるのが良さそうだ」

 アルディアスがラディウスの考えと同じ事を口にする。

 

「そうですね。俺たちの持つガジェットで、広域攻撃魔法を連続使用して奴らの陣に穴を開け、突撃する……というのが最良かと。ここから少し東――あの辺りから一直線ですね」

 ラディウスはアルディアスも同じ事を考えているのならば……と思い、そう告げて指で突撃地点を示した。

 

「であれば、なるべく横に広がるように布陣して、我々が将の位置を把握していないと思わせた方が良いかもしれぬな」

「なるほど、たしかにそうですね。であれば……波状になって、右端に突撃する面々を集める形にしてみるのはどうでしょう?」

 アルディアスの言葉に納得しつつ、自らの案を述べるラディウス。


「ああ、それは良さそうだ。まさか既に自分の位置が既に暴かれていて、右翼に本命が集まっているなどとは、向こうも思わぬだろうからな。早速、その布陣で展開するとしよう」

 そう言って周囲の聖騎士たちに指示を出し始めるアルディアス。


「あ、ついでにフィルディオさんに中央に回って貰って、まず開戦の合図として広域攻撃魔法を使わせるのが良いかも」

 というセシリアの言葉に対し、アルディアスは腰に手を当てながら、

「ふむ、中央突破を狙ってくると思わせるわけか……。策としては良さそうだ。が、それであれば私が陣頭に立って行った方がより効果的なのではなかろうか」

 などという言葉を返す。

 

「え、えっと……。それはまあ……たしかにその通りではありますが……」

 ラディウスは、総大将たるアルディアスが最前列に立つのはどうなのかと一瞬思ったが、さきほどの村内の戦いでも最前列にいた事を思い出す。

 そして、「まあ今更な話か……」と、誰にも聴こえないくらいの小声で呟くと、ストレージからガジェットを取り出し、アルディアスに手渡すのだった。

というわけで、嵐の前の静けさ的な回となりました。

次の話から再びバトルが続きます。


今の感じだと、想定の5割増し~倍くらいかかりそうな気がします……

この節も長くなってきましたが、流石に2~3話では終わりそうにありません…… orz


そしてそんな所で次の更新についてですが……明後日、水曜日を予定しています!


追記

後書きが前書きになっていたので修正しました orz

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