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第5話 次の場へ。帝都のホテルにて。

ラディウスたちがホテル・イクリプスホロウへ戻ってくると、アルベリヒが待っており、

「ご苦労様です。謁見のための手筈はほとんど整っております。あとは、レゾナンスタワーで回収してきた素材をもとに、封魂術のガジェットを作れば終わりです」

 と、そう告げてきた。

 それからメルメメルアの方を向き、問いの言葉を続ける。

「――素材の方は確保出来ましたか?」

 

「はいなのです。どうにか確保は出来たのです」

 そう言ったメルメメルアの表情と声に対し、疑問を抱いたアルベリヒが問う。

「……? レゾナンスタワーで何かに遭遇したのですか?」


「ドールガジェットが襲ってきたのです」

「ドールガジェット……ですか? そのようなものがレゾナンスタワー内を徘徊しているという話は、今まで一度も聞いた事がありませんね……。どこかで休眠状態になっていたものが動き出した……とかでしょうか」

 メルメメルアの言葉に、顎に手を当てながら思案を巡らせ、そう推測を述べるアルベリヒ。


「そこはわからないのです。ただ……」

「ただ?」

 歯切れの悪いメルメメルアに対し、アルベリヒが首を傾げる。

 

 それを聞いていたラディウスが、メルメメルアの代わりに、

「そのドールガジェットですが、レゾナンスタワーの――古の時代から生きている機能を利用して、『外』から操られていたようでして」

 と、アルベリヒに告げた。


「なんと……!? それはつまり……何者かによる遠隔操作が行われていた……? たしかに彼の時代にはそのような術式が存在しておりましたが……」

「そうなのです。古代の技術なのです……」

 アルベリヒの言葉にメルメメルアが、少し悲しそうな表情で言う。


「……なるほど、貴方が先程から何故そのような表情と歯切れの悪い言い回しをしているのかがわかりました。……我々が手助けした者たちの中にそれをした者がいる可能性がある……という事ですね」

 メルメメルアの方を見て、そう告げるアルベリヒ。

 それに対し、無言で頷くメルメメルア。

 

 その様子を見ながらラディウスは、メルメメルアとしては、自分たちが手を差し伸べた相手に殺されかけたという事が自身の中で納得出来ていないのだろう……と、思う。

 

 ――だが、少し前まではこんな雰囲気ではなかったよな……

 うーん……。アルベリヒとの会話の最中に、その事に思い至った……といった所だろうか?


「……わかりました。それに関しては私の方で調査しておきましょう。貴方はその代わり、封魂術のガジェット作成をエンシェントファクトリーか悠久工房のどちらかに頼んで来てください」

 自ら手を差し伸べた相手を疑う必要がある……というのを、メルメメルアに任せるのは厳しいと考えたのだろう。アルベリヒがそうメルメメルアに告げた。

 

「すいませんがよろしくお願いするのです。ガジェット作成の方は承知したのです」

 そう言って頭を下げると、ホテルから出ていくメルメメルア。

 

 ――封魂術のガジェットか……


 自分でそれを作れないかと思ったラディウスは、アルベリヒにメルメメルアに同行する旨を伝えてその後を追う。

 またそれだけではなく、メルメメルアの様子が気になったという理由もあった。

 

 そうしてラディウスがホテルの外へ出た所で、メルメメルアが、

「ラディウスさん、湖畔で回収したガジェットを出して欲しいのです」

 と、そんな事を告げてきたのだった――

しばらくこちら側が続きます。


……なのですが、12月という事もありまして、年末進行の都合で、

どうしても次の更新は土曜日になってしまいそうです orz

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