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第2話 次への道具。完成した逆探知ガジェット。

 宿で待っていた市長によって、街中を案内されたラディウスたちが宿へ戻ってくると、

「おや、お帰りになられましたか。……どうでしたか? いえ、言わずともなんとなくわかりますが……」

 と、マクベインが出迎えの言葉を投げかけてきた。


「……市長の人となりが、よくわかりましたよ……」

 ラディウスは腕を組み、やれやれといった感じでそんな風に言った後、首を横に振ってみせる。


「そうねぇ……。なんと言うか……なんども来ている街だし、今更街中の案内をされても……って感じだったわ。もっとも、高級な宿を用意して貰った手前、そんな事は言えなかったけど

 ルーナはそう同意しつつ、宿の時計を見てため息をつき、

「うーん……。今日中にマークスおじさんの所に行こうかと思ったけど、あの人のお陰で、微妙な時間になってしまったわねぇ……」

 と、言葉を続けた。

 

「宿に待ち構えていて、街中の案内――というより、自分の功績の自慢をして回られるというのは、さすがに想定外だったよねぇ……」

 うんざりした様子のセシリアに対し、ラディウスが顎に手を当てながら答える。

「一応……俺はこの街に初めて来たから、街の構造――地理を覚えるという意味では少しだけ役に立ったが……大半は、正直どうでもよかったな」


「何度か暗殺したくなったのだわ……」

「いや、暗殺はさすがに駄目だろ……。まあ、ちょっとは理解出来るが」

 ラディウスがクレリテの方を向き、そんな突っ込みを入れた所で、

「やはりというべきでしょうか、皆様お疲れのようですね……。お食事の時間までお部屋で一休みされるか、大浴場のお風呂にゆったりと浸かられてはいかがでしょうか」

 と、マクベインがそう皆に対して告げた。

 

「そうですね……。せっかくなので、宿の自慢だという大浴場へ行ってみます」

「あ、それなら私も行くよ」

「……名目上、私は護衛役なのだわ。だから不本意ながらセシリアに何かあったら困るし、私も付き合うのだわ!」

 ルーナ、セシリア、クレリテの3人が、それぞれそんな事を言う。


 ――どう見ても、クレリテは風呂に入りたくてウズウズしている雰囲気だが……まあ、敢えて言うまい。


 なんて事を思いつつも、ラディウスは3人に続くようにして、

「じゃあ、俺はちょっと部屋で休むとするか。風呂は夕食よりも後に入る主義だからな」

 と、そう告げた。

 

 実際には、ちょうど良いのでもうすぐ完成するガジェットを作り上げてしまおうと思ったのだが、それを口にすると面倒な事になりそうだったので、そんな風に言った。

 ……もっとも、主義という程ではないが、そういう傾向にあるのも事実だが。

 

 ともあれ……そんなこんなで、割り当てられている部屋に戻ったラディウスは、机の上に作りかけのガジェット――向こう側の世界で使う、逆探知魔法を組み込んだガジェットを置き、最後の仕上げを始める。

 

 そして、夜の帳が下りた頃……

「よし、こんな感じでいいな」

 ラディウスは、完成したプレート状のガジェットを見ながらそう呟く。

 

 早速試してみようと思い、ラディウスはすぐに向こう側――レゾナンスタワーの通信制御室の事を思い浮かべるのだった――

というわけで、次回から再びあちら側に戻ります!


ちなみに、市長との接触や街中の案内はラディウスが「街の構造――地理を覚えるという意味では少しだけ役に立ったが……大半は、正直どうでもよかった」と言っている通り、割とどうでもいい内容だった上に、それだけで1話終わりそうだったので、テンポを優先してスパッと切りました。


さて、次の更新ですが12月2日の予定です……っ! 相変わらずのペースですいません……

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