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第3話 術式の先。枢機卿とカレンフォート。

「それはそうと……先程、アルディアス枢機卿猊下からの魔導通信がありまして、明後日にカレンフォート市を訪れるとの事で、そこで会えないか……と、そのように言われました」

 マクベインがラディウスに対し、そう告げてくる。


 ――魔導通信……特定のガジェット間でのみ長距離通信が出来る代物の事だな。

 この時代の技術では作る事は出来ないので、おそらくその機能――魔法が組み込まれたガジェットを遺跡かなにかで発見し、それを使っているのだろう。

 セシリアの一件から、冒険者ギルドとは別に、遺跡の調査にも手を出しているというのはわかっているしな。


 ラディウスがそんな事を軽く思案した後、 

「カレンフォートですか? このグランベイルではなく?」

 と、マクベイン問いかけた。

 それは、ラディウスが『枢機卿』というくらいなので、王都の大聖堂にいるものだと思い、王都からだと明らかにグランベイルの方が近いと考えたからだ。


 しかし、マクベインから、

「はい。というのも、枢機卿猊下は国境視察の真っ最中でして……。今は東のシェスター城塞におられるのですよ」

 とそんな風に言って返され、更にシェラからも、

「ちょうどおぬしが伯爵邸に籠もっておった時に、この街にも寄っていったぞい」

 そう付け加えるように言われ、ラディウスはアルディアス枢機卿が王都にいない事を理解する。


「ああなるほど、そうだったのですか」

 ラディウスはシェラに対してそう言葉を返すと、机の隅に置いてあった王国地図を引き寄せ、それを見ながら続きの言葉を紡いだ。

「……うーん、たしかにシェスター城塞からですと、カレンフォートは王都やこちらへの通り道ですね。――わかりました。大して遠いところでもないので、こちらから出向きますよ」


「承知いたしました。のちほど、ラディウス殿に了承いただけた旨を枢機卿猊下に伝えておきます。――それと……その関係で、おそらく明日はカレンフォートに宿泊していただく事になると思いますので、明日の10時頃に、お迎えに上がる形でよろしいですか?」

「あ、はい。明日は特に予定が入っているわけではないので大丈夫ですよ」

 マクベインの問いかけにラディウスはそう答えつつ、思う。

 

 ――前日から待つ形になるという事は、朝早くに来る感じなんだろうか?

 まあ、一度カレンフォートには行ってみたかった所だし、丁度いい機会だな。

 

「ちなみに、私も同行するわよ」

「ラディやセシリアをカレンフォートまで送り届けるのに、マクベインの馬車を使う予定だから、当然私も一緒なのだわ」

 なんて事を言うセシリアとクレリテ。

 それに対し、ある意味想定どおりではあるな……と、そう思うラディウス。

 

「――カレンフォートと言えば……マークスおじさんの体調は大丈夫なのかしら? お母さんは大丈夫そうだと言っていたけど」

「ああ、そう言われるとたしかに気になるな」

 ルーナの言葉にラディウスがそう返すと、

「ふむ……でしたら、ルーナ殿も我々に同行しますかな? 私どもの使う馬車は広いので、ひとり増えるくらいなら大丈夫ですよ」

 と、ラディウスの横で話を聞いていたマクベインが、顎を撫でながらそんな提案を口にした。

 

「え? いいんですか?」

「ええ、もちろんです。というより……実を言うと、私も伯爵の件で少し気になりまして、どちらかと言うと私の方が同行させていただきたい所なのですよ」

 ルーナに対し頷き、そんな風に言葉を返すマクベイン。


「そうなんですか?」

「はい。伯爵邸で気になる資料――マークス殿の商会から購入した物のリストに、少し気になる物がありまして……」

「なるほど……。そういう事でしたら、是非とも――」


 そんなふたりの会話を聞きながら……


 ――気になる物……? むしろ、それが何なのかが気になるぞ……

 

 という、ある意味至極当然ともいえる疑問を抱くラディウスだった。

金曜日に更新する予定でしたが、どうにも執筆する暇がなく……結局、予定よりも1日程遅い更新となってしまいました。

ですが……次回の更新は予定どおり明後日の月曜日を予定しています!(多分大丈夫なはずです……)

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