表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
113/636

第2話 術式。構築。

「さあさあっ!」

「教えるのだわっ!」

「そ、そんなに勢い良く迫って来なくても、ちゃんと教えるからっ、も、もう少し離れて……っ!」


 とまあそんな感じで、セシリアとクレリテに少し……いや、かなり押され気味な雰囲気から始まったルーナの説明だったが、次第に本来の調子を取り戻し、さっきのような事が起こらない様にしっかりとセーフティ術式の構築の仕方を教える事が出来た。


 そして、セシリアとクレリテもまた、ルーナに教えられた通りに術式を組む。

 初めてのセーフティ術式という事もあり、やや構成に怪しい所があるが、さっきのような事態にはならない程度にはしっかりとした形になっており、問題はなさそうだった。

 その様子を眺めながらラディウスは思う。

 

 ――若干の不安は――主にセシリアとクレリテに――あるものの、とりあえずルーナがしっかり説明しているから、次は暴走する事はないだろう。

 むしろ自分が教えると、ついわかっているつもりで説明し忘れる所があったりするし……今はルーナの方が適任かもしれない。

 

 と。

 そして、そうであれば、基礎的な所はルーナに任せておいた方が良さそうだと判断し、ふたりに教えるのはルーナに任せ、自身は作りかけのマクベインが要望した――実際にはそれ以上の物となりつつある――ガジェットの制作を再開する事にした。

 

 ――とはいえ、もう完成間近ではあるんだが。

 むしろ、向こう世界で使うつもりの逆探知魔法を組み込んだガジェットの方が、まだまだなんだよなぁ……

 あれも早く作って、いい加減向こう世界に戻らないとな……

 

 と、そんな事を考えつつ作業を進めていると、 

「なかなか賑やかじゃのぅ……」

 なんて事を言いながら、シェラが工房へとやってくる。

 横にはマクベインの姿もあった。

 

「先程、爆発音が聞こえましたが……」

 マクベインがそんな風に言いながら、クレリテを見る。

 

「あー、まあ、ちょっとばかし術式の構築に失敗して爆発と放電が発生しましたが、大した事はないので大丈夫ですよ」

「それは十分大した事であるように聞こえますが……」

「何、ラディウスには強力すぎるレストアがあるからのぅ。すこし壊れたくらいなら、すぐ元通りになるじゃろうよ」

 マクベインの言葉に対し、そんな事を言って笑うシェラ。

 

 ラディウスは、マクベインは工房の事ではなく、ふたりの事を心配しているのではなかろうか……とそう思ったのだが、

「……そういうものなのですか? クレリテ様や聖女様たちのせいで貴重な魔導工具が壊れたら一大事だと思っていたのですが……」

 なんて事を口にしてきたマクベインだった。

 

 ラディウスが心の中で「あれ?」と呟いていると、それが伝わったのか、

「どうかしましたか?」

 と、マクベインが問いかけてきた。

 

 ラディウスがふたりの心配はしなくて良いのかと聞くと、

「クレリテ様は頑丈なので大丈夫ですよ。あと、聖女様も同じくらい頑丈だとマザーから聞いておりますし」

 などと答えるマクベイン。

 

「そ、そうなんですか……」

 ラディウスは苦笑しつつ、ふとセシリアと再会した時に、教会の中をドタドタ走ってた事を思い出し、なんとなくセシリアが周囲にどう思われているのかを、理解したのだった――

伯爵邸の一件のような事が起きない限り、平時は割とこんな感じに扱われているふたりだったりします。


さて、次回の更新ですが、金曜日を予定しています。

相変わらず間が空いてしまって申し訳ありません…… orz

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 斬新な響き、頑丈な乙女たち!ルーナが巻き込まれ事故に遭う?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ