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第4話 賢者にして英雄の工房。聖騎士に興味を持たれて。

「――なんと! そのような事があったのですか……!」

「やはりロクでもない奴じゃのぅ……」

 驚くマクベインとため息をつくシェラ。

 

「ただ、伯爵は『出入りしている商人で実験した』と言っていたんですよね……」

「なるほど……。意図的に狙った風な感じではなかったのが少し気になるわけですね」

 ラディウスの言葉を聞き、そう言ってくるマクベイン。

 それに対してラディウスが同意するように頷いた所で、クレリテが横から口を挟んだ。

「うーん……。エクリプスとかいう魔物化めいたのも、衰弱させるのも、どちらにしても結果的には商会長を排除する事には変わりがない気がするのだわ」

 

「それはまあ……たしかにそうだな」

 クレリテの発言になんとなく納得出来る点を感じ、そんな風に言葉を返すラディウス。


 ――伯爵はマーカスさんを排除するついでに実験も行った。あるいはその逆、か。

 どちらにしても、伯爵にとってはあの指輪を使うだけで十分だと思ったのだろう。

 ……しかし、一部の輸入品というのが気になるな。伯爵は何を手に入れようとしていたんだ?

 

 そう思ったラディウスは、マクベインにその事を問いかける。

「――ちなみに……伯爵がその商人と取り引きして得ようとしていた輸入品、というのは何なのですか?」


「それなのですが……詳細が書かれておらず、彼の商人が輸入していた物は30品目近くあるため、その中のどれを得ようとしていたのか、現時点では不明なのですよ。伯爵邸を調査すれば、なんらかのヒントが得られるやもしれませんが……」

 マクベインが腕を組みながらそう答える。

 

「そうなのですか……。さすがに30品目近くもあるとなると、絞り込むのは大変そうですね……」

「まあ、そこは今後のマクベインの調査に期待しておくのだわ」

 なんて事を言い、胸を張るクレリテ。

 

 だから、なぜクレリテが胸を張るのか……とラディウスは思いつつも、「そうだな」と短く言葉を返し、改めてマクベインの方へと顔を向けながら言葉を続ける。

「あの屋敷は地下で遺跡と繋がっていて、そちらにも書庫があったりするので、結構広いんですよね……」


「そのようですね。司祭殿にもそのように言われまして、案内役をつけていただく事になっています」

 と、そこまで言った所で、マクベインはハッと何をか思い出したかの表情を見せた。


「――ああ、そうでした。その司祭殿からの言伝なのですが……聖女セシリア殿の救出の功を聞き、アルディアス枢機卿猊下がお会いしたいと言っているとか……」

 なんて事を言ってくるマクベインに、ラディウスはなんとも面倒な話だな……と思いつつ、その名を知らなかった為、疑問を口にした。

「アルディアス枢機卿……?」


「この国の神剣教会で、もっとも偉い人なのだわ。更に神剣教会の総本山である――アールナ・メルダーナ大聖堂では、聖騎士も兼ねているとかで、とっても強いのだわ」

 マクベインの代わりに、クレリテがそんな風に説明する。


「なるほど……。聖騎士……か、ちょっと興味があるな」

 ラディウスがそう告げると、

「でしたら、お会いする方向性で話を進めても良いでしょうか?」

 などと問うマクベイン。

 

「ええまあ、会いたいというのに断るのもどうかと思いますし……」

 ラディウスはそんな感じで返答をしつつ、それだけ偉くて武人タイプの人ならビブリオ・マギアスに関する情報を持っている可能性が高いしな……と、心の中で付け加えた。

本日は、どうにか予定どおりに更新する事が出来ました……

次の更新は、先日予告していた通り、日曜日を予定しています。

間が空く状態が続いてしまっており、申し訳ありません……

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