表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

103/636

第1話 レゾナンスタワーの探索。遠隔操作と通信。

「さっき仕掛けたトラップの類は、ほぼ発動済みのようだが……いくつか発動していない物があるな……。――メル、全て解除しておくから少し待ってくれ。未発動を放置するわけにはいかないんでな」

 ラディウスが通路を確認しながら、メルメメルアに対して告げる。


「あ、はい、わかったのです。でしたら、私はその間に周囲を探っておくです」

 と答えつつ、メルメメルアは複数の探知魔法や索敵魔法を使い、周囲の状況を調べてみる事にした。

 

 ……が、これといって敵性存在は見つからない。怪しそうな場所も反応も特にない。

 

 ――う、うーん……。手持ちのガジェットの魔法では、ここら辺が限界なのです……

 もう少し探知可能な範囲を広げられればいいですが……

 

 そんな事をメルメメルアが思った所で、

「よし、解除が終わったぞ」

 と、メルメメルアの方を見て告げるラディウス。

 

「は、早いのです!」

「まあ、解除のための操作は遠隔でも出来るし、認証方法と解除手順さえ理解していれば、さして面倒な物ではないからな。――ってか、そういう風にしてあるともいうけどな」

 驚くメルメメルアに対してラディウスはそう返し、そこで言葉を切って小さく笑った。

 そして、一度周囲を見回してから、

「――それはそうと、何か見つかったか?」

 という、問いの言葉を紡ぐ。

 

「いえ、何も見つからないのです……。魔物1匹反応がないです。まあ……ここに魔物が侵入するような事態は、そうそうないですが」

 首を横に振って答えるメルメメルア。

 ラディウスはその言葉を聞き、無言で思考を巡らせめる。

「………………」

 

「……? ラディウスさん、どうかしたです?」

 メルメメルアは、考え込むラディウスに疑問の声を投げかける。

 

「いや……もしかしたら、俺たちにドールガジェットをけしかけてきた奴も、俺が今やったように、遠隔操作をしていたんじゃないか……と、ふとそんな事を思ってな」

「遠隔操作……です? ええっと、それはつまり……この塔――レゾナンスタワーの外から、ドールガジェットに対して指示を与えた……という事です?」

「ああ。これだけ探知しても何も発見出来ない以上、その可能性……長距離からの遠隔操作もありえるとは思う」

 ラディウスはメルメメルアの言葉に頷き、そう返す。


「たしかに……可能性自体はありえる話なのですが、そんな長距離な遠隔操作を行う魔法式――術式を作れるものなのです?」

「そう、そこが問題なんだよな……。ガジェットの遠隔操作自体は、さして難しい事ではないんだが……この塔の外からとなると、魔力波単体では絶対に届かない距離だから、それ以外の何かを利用して、魔法を発動させるための術式自体を飛ばした上で発動させる必要がある」

 メルメメルアの疑問に、腕を組んでそんな風に答えるラディウス。


「それ以外の何か……です? もしかして、レゾナンスタワーの通信支援機能を復元し、通信波を利用した……とかも、ありえたりするです?」

 というメルメメルアの言葉に、ラディウスは、ふたつの世界を行き来している間に、すっかり忘れてしまっていたこの塔のかつての用途を思い出し、

「あー、そうか。そういえばその可能性は十分にありえるな」

 と、手を顎に当てながら言う。


「でしたら、とりあえず本来の用件を片付けたら、かつて通信制御室として使われていた場所へ行ってみるのです。何かわかるかもしれないのです」

 というメルメメルアの提案にラディウスは頷く。


 そして、まずは本来の用件を片付けるため、ふたりは奥へと向かって歩き出すのだった。

今回の話は、実は次の話の内容と大幅に入れ替えていたりします。

本来、今回は奥へ行って素材を回収するだけの話だったのですが、単に文字数が多いだけの何も話が進まない内容だったので次の話の流れと合わせて調整しました。

(と言いつつ、次の話はプロットの調整だけで、まだ書いていないのですが……)


さて、今週の更新ですが……水曜日と金曜日を予定しています。

相変わらず飛び飛びですいません…… orz

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ