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第9話 ふたつの世界。戦闘終了後、一抹の不安。

「た、倒した……です?」

 メルメメルアが、ラディウスの背中に張り付いたまま、そーっと顔だけ出してドールガジェットの様子を伺いながらそう言った。

 

「さすがにあの状態から復活はしないと思うが……」

 そんな風に言葉を返しつつ、マリスディテクターで確認するラディウス。


「――周囲に敵意を持つ存在はいない。つまり……2体共、完全に沈黙したようだ」

「はうぅ、一安心なのです……」

 ラディウスの言葉を聞き、その背中から離れて座り込むメルメメルア。

 

「……それにしても、ラディウスさんはとんでもない人なのです。あんな凄まじい攻撃を防いだり、ドールガジェットをいとも簡単に破壊したり出来るとは、想定外の想定外なのです」

「いや、想定外の想定外て……」

「過去のどの時代にも、こんな高度な魔法を組み込んだガジェットをいくつも持っている人間なんていないのです。……もしかしたら、ラディウスさんは『未来』から来てしまったのかもです」

 座り込んだ状態のメルメメルアが、ラディウスを見上げながらそんな推測の言葉を口にする。

 

 ――ある意味正解だな……。うーん……いっその事、妖姫の時のように、平行世界から来たというの事を説明した方がいいんだろうか?

 こちら側における朝の時点では、まだ信用出来るかどうかわからなかったから、曖昧な返答していたけど……メルは信用しても大丈夫だろう。

 ただなぁ……メル自身はともかく、メルの所属する組織の方が信用に値するかどうかが、まだなんとも言い難い所なんだよなぁ……

 それこそ、もしもドールガジェットと遭遇したのが意図されたものだったとしたら、メルに対してであっても、そういった情報を話すのは色々とリスクがあるし……な。

 

 ラディウスはそんな風な思案を一通り巡らせた後、

「……可能性はあるかもしれんな。まあもっとも、俺自身にはそう言われてもさっぱりだが」

 と、メルメメルアに言った。

 

「それは……まあ、たしかにその通りなのです。……う、うーん……仕方がないのです。この件に関しては一旦保留なのです。とりあえず今は、本来の目的を達成するです」

 ラディウスは、そのメルメメルアの言葉に対して「そうだな」と言いながら頷いてみせた後、ドールガジェットの残骸の方に視線を向け、一抹の不安があると言わんばかりの表情で、

「ただ、こいつらに『命令』をした奴がこの先に潜んでいる可能性があるんだよな……」

 と、そんな風に告げた。

 

「あ……。言われてみると、たしかにそれもその通りなのです。――でも、私の持つ感知魔法の組み込まれたガジェットでは、何も反応していないのです……。ラディウスさんの感知魔法では何か捉えている感じです?」

「いや、俺の……というか、マリスディテクターにも何も反応していない。――マリスディテクターに引っかからない事を考えると、だいぶ離れているか、あるいは欺瞞系の魔法――ガジェットで隠蔽されているか……どちらかだろうな……」

 ラディウスはメルメメルアの問いかけに答えつつ、思う。

 

 ――無論、敵意や悪意を持っていないという可能性もあるにはあるが……その可能性は、『攻撃』の指示を出している時点で、限りなくゼロに近いと言っていいだろう。

 

「けどまあ……なんにせよ、先に行く必要あるわけだし、このまま慎重に進むしかないな」

 ラディウスはそう結論を口にして肩をすくめてみせた。

 

 ――最悪、向こう側に戻ってガジェットを作ればどうにかなるだろう。

 

 と、思いながら――

というわけで先へ進みますが、果たして……?


さて、その次回の更新ですが……明後日――月曜日を予定しています。

来週もおそらく1日置き更新になってしまうと思います。申し訳ありません…… orz

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